
停電の夜に ジュンパ・ラヒリ
ピューリツァ賞などの有名文学賞を総なめにしたしで、日本でもすっかり人気で、何度も雑誌で見ては、読まなくてはー、と思っていました。ついに読みました。いやーーー。素晴らしいね。やっぱり。なんでもっと早く読なかったか。。。すごい好きです。
フランクフルトの空港のバーで読み始めたのですが、最初の短編「停電の夜に」を読み終えたころ、顔をあげると、自分がどこにいるのか、何をしているのかがマジでわからず、頭がグラグラして、1分ほどボーッとしてしまいました。それほど世界に入り込んでました。これぞ小説世界にひたる醍醐味ですねー。好きだわー。
あと、翻訳もすごくいいのだと思います。日本語が美しい。
「停電の夜に」
やられたー、って感じよね。見事に読者の予想を裏切って。哀しくて、さびしくて、つらくて。泣けます。
「ビルサダさんが食事にきたころ」
政治的な背景を持ったお客さんがうちに来たことはないけれど、子供の頃、うちも父がよく部下や同僚を連れてきていたので、あのおじさんどうしてるのかなぁ?なんてふと思いました。
「病気の通訳」
イタイなー。この勝手なる勘違い+妄想、わからなくもない。そして、その妄想、あっという間に残酷に消え去るそのさまもこれまたよーくわかる。
と、1編ずつ書こうと思ったけどヤメた(笑)。
ほとんどハッピーエンドじゃないので、ハッピーエンドが好きな人はダメかもしれませんが。
でも、心理の奥深いところをついてるものばかりなので、考えさせられます。ほとんどすべてが、すれ違いがテーマです。男と女のすれ違い、夫婦のすれ違い、人種のすれ違いなどなど。すれ違いというか、その違いそのものがテーマというか。どの話も何が起こるわけでもない話ばかりですが、違いを感じてしまった主人公の心の動きの描写が素晴らしいです。大人の本ですよね。最後の「3度目で最後の大陸」だけハッピーエンドかな?お見合い結婚の幸せな例と言う感じ。次は、「その名にちなんで」をもちろん読むのだー。