2006/8/9  23:59

「消えたもの」  
「消えたもの」

小さい頃、雪が一杯降っていた
それこそ、ドカーンって音がするぐらい
雪の上でおしっこしたら、黄色くなった
バケツで水をジャーってかけても
地面が見えなかった

私は雪に囲まれて寒かったのかな?
そんなこと全然憶えてない

朝になったら、田んぼの雪が凍っていた
長靴履いて、スケートした
つるつる、つるつる

私はそれが楽しかったのかな?
そんなこと全然憶えてない

ただ、夢中だった
雪が降ったから



詩:のり
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2006/2/3  22:25

「そのままで」  
「そのままで」

恋も愛もわからない
ただ、あなたとこうして暮らしてる
それが幸せな気持ちでいる

成熟なんて言葉も知らない
瞬間に感じてる心を
あなたに受け止めてほしいだけ

あなたのやさしく抱きしめてくれる手だけでいい
言葉より、求めているものがある
ただ、求めていると言葉で言えないだけで

憎しみも哀しみも心の中に一杯ある
それを全部、感じてほしい
その奥から愛をみつけてほしい

泣き続けてあなたを困らせてる?
「嬉しいんだよ」ってやさしく言ってくれる
あなたがいる

でも、知ってるの
あなたが私の笑顔が好きなことを

互いに苦しめ合いながら、それが
愛かもしれないと
感じている

目から溢れる涙も
心から流れ続ける血も
そのままで



詩:のり
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2006/1/23  23:14

「哀しみ」  
「哀しみ」

孤独であったなら私は泣かないのだろう

フロントガラスの景色が曇ったまま
流れていく

私の目は哀しみの未来をみている
愛する人々の慟哭をみている

枯れかけたひまわりが種の重みで
俯いている

夏の終わりに種は一粒づつ
地面に落ちていく

まだ咲いているひまわりの
落ちていく種をみている



詩:のり
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2006/1/13  15:30

「歩くこと」  
「歩くこと」

歩くことがなんともないときに

歩くことは私の無意識であった

歩くことに苦しみが加わったとき

それは一歩一歩、確かめずには
いられないものとなった

確かめる度に、どこかが痛んでる

うまく歩けない自分が見える

うまく歩こうとすればするほど
どこかが痛んでくる



詩:のり
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2006/1/8  9:25

「病気」  
 「病気」

病気になった

ベッドの上で、何も出来なくなった自分に
ほっとしたりする

その空間は
何もなかった

日常のすべての行為が何もなかった
生きて死んでいるような空間

家族の悲しげな顔さえ
虚ろに見えた

何もしなくていい日々に
つかの間安らぐ

食べることも忘れる日がある
眠ることも忘れる日がある

洗濯も掃除も
人と話すことも忘れる

排泄をするのさえ重い体と心



詩:のり
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2005/12/17  2:18

「根を詰める」  
「根を詰める」


掃除をする

床を磨くその瞬間に

何ものをも忘れて

力を入れる

あらん限りの力を入れる

文章を書く

その一語を書くとき

何ものをも忘れ

あらん限りの思考を注ぐ

連続したその瞬間の積み重ね



詩:のり
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2005/12/11  12:55

「美しい魂」  
「美しい魂」

美しい魂に巡り合いたい
本当に愛するということが出来る

美しい魂に巡り合いたい
それは棄て身の心
それは怖れのない心

美しい魂によって人は
愛を蘇らせる

美しい魂によって人は
人間になっていく

いくつかの言葉
いくらかの時間
それを越えて
美しい魂はそこにあり
愛を感じさせてくれる



詩:のり

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2005/12/5  6:51

「無力」  
「無力」

私には言葉がない
自分を語る言葉がない

私には手がない
あなたに触れる手がない

私には足がない
あなたに駆け寄る足がない

実際、私は無力である
私に何が出来るのかと思うことがある

しかし、こうして生きているのである

成しえるものも分からないまま
こうして生きてるのである

身体の苦痛に耐えながら生きているのである
心の苦痛に耐えながら生きているのである

生きていることが耐えることであって
私に成しえることの一つである



詩:のり
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2005/12/4  11:31

「美について」  
「美について」

私は幼い頃、炭を背負って
山道を登っていた

蛍の群生をみていた

とんぼの群生をみていた

澄んだ川に生えている水草の
流れをみていた

叔父さんの
器用な手から作り出される箸を見ていた

あぜ道をつたう様に咲き誇る
りんどうをみていた

ぽっかりと輝くように咲いている
山百合をみていた

私の美はそこにあった



詩:のり
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2005/11/27  21:12

「崖の上に住むと」  
「崖の上に住むと」

弱々しい風にすぐ揺らいでしまう
だから、外にあまり出られない

怖そうな場所だから
近づいてくる人も少ない

太陽の日差しは真っ直ぐ
私に注ぐ
遮るものが何もなくなってしまったから
時に私を暖め
時に私を焦がす

しなやかな草花は強く
岩の隙間から
背を低くして小さな花をつける

雲がすぐ傍にみえる
時々、私の視界は閉ざされる

崖を登って尋ねてくれた人々の
額には澄んだ汗が滲んでいる



詩:のり
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