2008/1/31

シャルル・リッツを読んでみた  FFフランス語 FF French
英語とフランス語の本はなるべく原語で読むようにしたいのは、著者の心のひだに直接触れることができるような気がするから。誤訳は論外としても、悪訳はせっかくの名著を台無しにする。きちんとした訳文でも、原著のスタイルを映さない訳もある。名訳は原著から独り立ちした一作品である。

Charles Ritz 「Pris sur le vif」。シャルル・C・リッツ著 邦(英)題 「ア・フライフィッシャーズ・ライフ」、「A Flyfisher’s Life」。

フランス語で300ページ以上あるのでどうかと思い、ベッドサイドブックとして気長に読もうと思ったのが、読みだしたら一気に引き込まれてしまい、夜更かししながらも1週間で読み終えてしまった。素直な文章で書かれている。字も大きい。

魚釣りの描写には、原題「Pris sur le Vif」の示唆するとおり、“ナマ”な臨場感がある。一喜一憂は我々と同じ。釣りバカ話は、洋の東西を問わず、また経済力や社会的地位の差をも超えて、人の心をむすびつける。釣りバカ日誌のハマちゃんとスーさんだってそうだ。

釣りバカ話だけではない。実用情報も溢れている。フライの選択、システムの作り方、竿の選び方、キャスティング…、惜しげもなくコツ、ツボ、秘訣を披露してくれる。竿の作り方の企業秘密だけは別のようだけれど。初心者にも“釣らせてやろう”という気持ちが伝わってくる。

ニンフの釣りに重きを置き、愛着をもっている姿が印象的だ。フランスでは、サイト・ニンフィングが語られる場面が多いように感じていた。そういうフランスで釣っていたからなのか。それともフランスの釣りに彼が影響を及ぼしたのか。

読みながら、世界釣り巡りに同行させてもらった気分だ。金にまかせて良くここまで遊んだものだ。彼の代を限りに、パリのリッツホテルがリッツ・ファミリーの手を離れたのは当然の結末、という言い方を見聞きしたことがないのは、彼の人徳の高さに違いない。

自分が足を運んだフランスの川、ノルマンディーのリール川やアンデル川、それにフランシュ・コンテのルー川も、が語られているのも嬉しい。釣果を上げられなかったアンデル川は、再挑戦せねばと気持ちを新たにもした。

概ね平易な構文と語彙である上、各章が短いので読み進みやすい。なるほど、シャルル・リッツはスイス人であった、とも思う。フランス語文法の基礎をきちんとやった釣り好きなら、辞書を片手に、もしくは多少単語を読み飛ばしながらでも、楽しく読めるに違いない。
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フランス・アマゾンで原書が買える(再販、ペーパ−バック)。

Pris sur le Vif  Charles C. Ritz 著


英語版は、米国アマゾン、英国アマゾン、日本アマゾンで買える。

A Flyfisher’s Life Charles Ritz (アメリカ・アマゾン)

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日本語版は、アマゾンでは買えないが出版されているので探してみて。訳者は、柴野邦彦氏、発行はティムコ。

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