「Daniel Lanois〜ダニエル・ラノア〜の瞳。」
音楽
六本木のビルボード東京まで、ダニエル・ラノアを観に行ってきた。
あまりにも感銘を受けすぎて、書けるのかなあ…。
そのぐらいすごかった。
彼の音源は何枚か持っていて、聴いてはいた。
その音源のイメージで、静謐で、精緻な音作りの人なのかと思ってた。
言葉にすると、思慮深いとか、物静かとか…。
それがきょうはもう…、
ドラムのブライアン・ブレイドの第一音でにんまり、
で、ラノアさんのギターの第一音でもう嬉しくて笑ってしまった。
ギターの音がなんていうんだろう、ほとばしってくる。
すごい勢いである時には大音量でつんざいたり、叫ぶようだったり。
でも囁くようなときもあり、その音の表情レンジがものすごい広さ。
見ていたら、一度もピックを持つことなくエレクトリックギター、
レスポールだったかな?を弾いていた。
こぶしで叩くように奏でたり、親指で弾いたり、ギターを奏でるときの変幻自在の指のいろんな所作。
ある時にはそれはとても性急な動きで、彼の衝動を感じる。
彼の頭の中から湧き出ているであろう、次かなでられるべき音を、彼にも止められずにいるから、それを再現しようと、からだが、指が、早く早く、とせきたてられ、あの性急な所作になるように思えた。
今だ、いま弾かないでいつ弾く?そんな衝動。
こんなにロックな人だったんだなあ。
ギターの手元をじっと見入って聞き入る。
不思議。わたしの耳に聞こえている音が多すぎる。
いったいどの動きからこの音が出てくるの?本当に弾いてるの?
そんないろいろの音が飛び出してくるギターなのだった。
そしてヴォーカルは優しい包容力のある声。
ベースのジム・ウィルソンとのハーモニー・パートが多かったけど、これがまた彼の音楽にもっと広いレンジを更に、更に与えていた。
そこにきてまたブライアン・ブレイドのドラム!
これがタイトで、どこまですごくなるか分からない感じ。
小気味よく、なんか江戸っ子みたいなドラムだった。
宵越しの金は持たねぇ!みたいな(笑)。
ステージから参列目のテーブルに案内され、表情なんかも見える場所。
黒のウェスタンハットの奥から、ラノアの、その瞳が見えた。
大きな目。何回か目が合った。
深くて、鋭い光で、でも悲しげで、穏やかで…そんな表情の瞳だった。
どんな世界を通ってきたんだろう。
何を見てきたなら、こんなギターの音が出せるんだろ。
「きょうのステージになかったもの、足りなかったものって何?」
もしそう訊かれても、思いつかない。
とても深くて、幅も広くて、人の一生みたいな音楽を聴いた。
無限だった。
始まりの一曲目、会場割れんばかりの待ってましたの歓声喝采だった。
会場にはミュージシャンの姿がものすごく多かった。
愛されてるんだなあ。
熱狂的なファンがいなかったらおかしいもんね、こんな人に。
アンコールも情熱的な拍手コール。
公演一日はアンコールはなかったらしいけど、今日は出てきてくれた。
かわいい、ちっちゃな曲をやってくれた。
は〜、どうして今晩、ここでこんな素晴らしい音が聞けてるんだろう。
自分じゃ年中音楽を聴いたりもしないのに、わたしってなんてラッキーって言うか、恵まれてるんだろう。
なんだかそんなことを考えてたら、色んな人との繋がりとか思っちゃって。
で、豊かな音楽って聴くとこうなるんだな、って。
そんなこと考えて、ひとり最後に、じん、としてた。
ありがとう、今宵のすべて。

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