日興会長・社長辞任へ 利益水増しで引責(朝日新聞)
証券大手の日興コーディアルグループが05年3月期連結決算で不正に利益を水増ししていた問題で、日興の金子昌資会長(67)と有村純一社長(57)が引責辞任する見通しになった。日興は証券取引等監視委員会が指摘した「組織ぐるみ」を否定し、首脳の辞任回避を図ったが、監視委・金融庁が厳しく経営責任を追及。証券業界や株式市場にも経営責任を問う声が広がっており、これ以上、投資家や顧客からの信頼を失えば業績への影響も懸念されるため、首脳の引責辞任が避けられない情勢になった。
監視委は18日、05年3月期連結決算で日興が子会社間に生じた利益など184億円を不正に水増しし、虚偽の有価証券報告書を作成したとして、日興に過去最大の5億円の課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告した。虚偽記載に至った背景については「組織ぐるみで意図的に利益の水増しを図った」と指摘し、日興経営陣の責任を厳しく追及した。
日興側も「虚偽記載」を認め、05年3月期連結決算を自主的に訂正すると発表。その一方で、虚偽記載の原因を「担当社員の過失」と主張し、「組織ぐるみ」や「意図的」との監視委の見解を否定し、経営責任への波及を避けようとした。
日興は課徴金を支払うことで、首脳の引責辞任を何とか回避できると踏んでいたが、金融当局が予想以上に強い姿勢で「組織ぐるみ」を認めるよう迫った。さらに、山本金融相が22日の閣議後会見で「経営者責任として辞任・解任もあり得る」と、暗に辞任を求める意向を示したことで、日興社内にも引責辞任は避けられないとの空気が強まった。
証券業界からも「(今回の不正は)社員1人でできることだろうか」(安東俊夫・日本証券業協会会長)など、日興の対応を疑問視する声が出ていた。東京証券取引所も不正決算の発覚後、上場廃止基準に抵触する可能性があるとして、日興株を投資家の注意を喚起する「監理ポスト」に移しており、投資家に不安が広がっていた。

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