年金運用損、過去最悪の5.8兆円 昨年度世界的株安(朝日新聞)
厚生年金と国民年金の積立金の07年度の運用損が過去最悪の5.8兆円だったことが3日、明らかになった。運用利回りはマイナス6.4%で過去2番目の低さ。米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題に端を発する世界的株安が、公的年金の財政にまで波及した。
積立金の運用を行う年金積立金管理運用独立行政法人が4日にも公表する。公的年金の運用を巡っては、経済財政諮問会議の民間議員や自民党のプロジェクトチームが、民間の投資専門家を登用してより高い収益を目指すことを提案している。だが、運用成績の悪化を受け「より安全度の高い運用を」という慎重論も出てきそうだ。
積立金は01年度から本格的な市場運用が始まり、07年度は積立金約150兆円のうち91.3兆円を運用した。リスクを下げるために分散投資しており、内訳は国内債券56.9兆円、国内株式13.8兆円、外国債券9.7兆円、外国株式10.9兆円。株式市場でも市場平均並みの収益を目指す堅実な運用を基本とする。
07年度の市場の動きを示す基準指標(ベンチマーク)は、日本の株式市場は約3割のマイナスで、外国株式も円高の影響もあってマイナス17%だった。国内債券は3.4%のプラスだったが、同法人は「02年度のITバブル崩壊時に匹敵する国内・外国株式の大幅なマイナスを補いきれなかった」としている。マイナス6.4%の運用利回りは、02年度のマイナス8.46%に次ぐ低さだ。
同法人によれば、運用資産に占める株式の比率が公的年金よりも高い民間の企業年金の07年度運用実績はマイナス9.7%、大手生保各社の団体年金も13〜16%のマイナスとなっている。
一方で、積立金運用の累積収益は7.4兆円とプラスを維持。年金財政に大きな影響を与える運用利回りと賃金上昇率の差(実質運用利回り)も、01年度以降の平均では2.66%と目標の1.1%を上回っており、同法人は「当面の年金財政への影響は限定的」としている。だが、運用環境の悪化が長期間続けば、将来の年金の給付水準低下につながる可能性もある。

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