「IASB/FASBが財務諸表の構成を大改訂へ2008.05.19」
企業会計
IASB/FASBが財務諸表の構成を大改訂へ2008.05.19
現行の財務諸表の構成や内容を抜本的に見直す共同プロジェクトが、国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)の間で進められているという記事。
「貸借対照表に相当する「財政状態計算書」は、従来の資産・負債ではなく、「事業」と「財務」に区分され、資産合計と負債合計は注記で開示される。」
↓3月末時点のプロジェクトの暫定的な見解の資料はこちら(IASBのサイト経由でFASBのサイトより)
FINANCIAL STATEMENT PRESENTATION PROJECT
A Joint Project of the FASB and IASB
Phase B: Summary of Tentative Preliminary Views as of March 31, 2008(PDFファイル)
経営財務の記事やこの資料によれば、まず、BSに相当する財政状態計算書において、資産・負債を以下のように区分します。資料ではこのような区分の方法をマネジメント・アプローチManagement Approachと呼んでいます。(経営財務の表では法人所得税が別項目になっていますが、資料では別表示されていません。)
事業 Business
営業資産・負債 Operating assets and liabilities
投資資産・負債 Investing assets and liabilities
財務 Financing
財務資産 Financing assets
財務負債 Financing liabilities
為替換算調整勘定 Foreign Currency Translation Adjustments
廃止事業 Discontinued operations
所有者持分 Equity
包括利益計算書とキャッシュ・フロー計算書は、この財政状態計算書の分類に対応するかたちで、事業(営業・投資)、財務、廃止事業、それぞれの利益やキャッシュ・フローを表示します。BS中心の発想のようです。営業、投資、財務に分けると考えると、現行のキャッシュ・フロー計算書と同じともいえます。
廃止事業を分けて表示するというのは、現行の米国基準の考え方(国際会計基準でもそうなのかもしれません)を取り入れているのでしょう。資料によれば、財政状態計算書上、資産・負債をネットで表示するかグロスで表示するかでもめているようです。
為替換算調整勘定を所有者持分とは別扱いにしているのも気になるところです。包括利益計算書上も独立した表示項目となります。海外に大きな投資をしている企業は、為替変動による為替換算調整勘定の増減が今以上に注目されるようになるかもしれません(今でも株主持分変動計算書には表示されていますが)。
IASBとFASBの最終的な目標は、純利益の概念を廃止して、純資産の増減(増減資や配当を除く)を包括的にひとつの計算書に表示することですが、経営財務の記事によれば、とりあえず純利益の概念は残すようです。
正式の論点整理は、2008年第3四半期に公表予定とのことです。経営財務によれば、ASBJでも、この問題について検討を行い、早ければ年内にも論点整理を公表するそうです。
まだ論点整理作業の段階なので、最終的にどうなるかはわかりませんが、表示の問題とはいえ、非常に大きな変更となりそうです。
Financial Statement Presentation—Joint Project of the IASB and FASB