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2003年10月19日開設

2003年12月2日更新
会計経理雑誌  斜め読み

会計・経理関係の雑誌から考えさせられる記事や実務の参考になりそうな記事を紹介します。 意見の部分はすべて作成者個人の意見であって、その他の内容も含め、作成者がかかわっているいかなる組織とも関係のないことをお断りします。

取り上げる雑誌へのリンク


経営財務(税務研究会)
経理情報
企業会計


2003年11月24日

JICPAニュースレター平成15年11月5日号

  • 「レジェンド問題のその後」(山崎彰三)という記事が気になりました。結局


2003年11月24日

経営財務H15.11.17号
  • ASBJではリース会計の見直しをやっていますが、ストックオプション会計に続いて、こちらもお蔵入りとなるようです(経財トピックス)。記事によると、例外処理を存続すべきという意見が産業界に強いために、合意できそうにもなく、まず関係者(誰のことか?)間で税務処理との関係を整理すべきという結論になったそうです。
  • よい方に解釈すれば、企業結合会計の指針作りのためのリストラという側面もあるのでしょう。
経理情報2003年12月1日号
  • 「事例でみる減損会計への事前対応」(吉田実貴人)という解説記事を読みましたが、早期適用の考え方が少しおかしいように感じました。この記事によると、2005年3月期の早期適用について、2004年9月中間期での早期適用も可能とされており、2005年3月本決算(下期)からの早期適用が可能なように読めます。しかし、中間と年度の会計処理基準の首尾一貫性が要求されるはずなので、2005年3月期適用であれば、2004年9月中間期は当然適用になるのではないでしょうか。
  • 重要な点なのでどこかで確認したい気もします。
  • また、ソニーの1995年の営業権の減損処理について、FASの144号による処理と書いてありますが、これも少しおかしいと思います。144号は2年ほど前に公表された基準であり、その前の減損会計基準である121号も1995年時点では適用はされていなかったはずです。ソニーの営業権はたしか事業レベルののれんの評価損として、以前からある無形資産の会計基準によって処理されたと記憶しています。
経理情報2003年11月20日号
  • 「道路公団の決算の虚実」(醍醐聡)と題する巻頭コラムで道路公団の資産評価の問題点が取り上げられています。東京湾アクアラインのような路線には減損会計を適用して収益還元価値に見合う水準まで資産を切り下げる必要があるという主張には賛成です。民間企業としてフレッシュ・スタートするのであれば、収支を無視した資産評価はありえません。 不採算路線と採算路線の収支を合算するプール制についても、キャッシュ・フロー生成単位として合理的かどうかという観点から論じられています。

2003年11月9日


経営財務H15.11.3号
  • 減損処理を行って固定資産の簿価を下げると、翌期以降の減価償却費はそれだけ少なく計上されることになります。税務上は、償却費として損金算入した金額(償却限度内)しか損金にできないので、減価償却費を少なく計上すると会社にとって不利になってしまいます。
  • しかし、減損損失の金額が税務上「償却費として損金経理した金額」とされれば、減損損失自体は有税処理であっても、翌期以降の償却不足額の範囲内で徐々に損金となるので、税務上の負担は従来と同じにすることができます。
  • 経財トピックスでこの問題が取り上げられ、結論としては、減損損失は「償却費として損金経理した金額」に該当するとされています。結論の根拠(当局の見解なのかどうか)がはっきりしていないのが気になりますが、常識的にはそういう結論になるのでしょう。
  • 法務省が公表した「会社法制の現代化に関する要項試案」の概要が出ています(経財トピックス)。この記事によると、金銭等の分配や自己株式の取得などの「株主に対する剰余金の分配」 について、定款に定めることより取締役会決議をもっていつでも行えるようになります。また、このような定款の定めがある場合には、「剰余金変動計算書」を開示することになるようです。
  • 従来、商法上、資本の部の動きを表す計算書はなかったので、「剰余金変動計算書」ができれば一歩前進だと思いますが、やや中途半端な感じもします。資本金や資本の部のその他の項目の動きもすべて含めた「株主持分計算書」の作成を義務づけるべきだと思われます。
参考: 法務省のサイトより

2003年11月3日


経営財務H15.10.27号
  • 平成15年3月期の有価証券報告書では、主要銀行とその他2社が会社代表者による「適正性の確認書」を添付したそうです(経財トピックス)。三菱東京フィナンシャル・グループの確認書の実例も載っています。
  • 「適正性の確認書」は米国のルールをまねて導入したものだと思いますが、今ひとつねらいがわかりません。適正な財務諸表の開示とそのための内部統制の整備・運用は、当然最終的には経営者が責任を負うべき事柄です。そのことをあらためて 経営者に確認させるという精神的な規定にすぎないのでしょうか。それとも、経営者を企業内容の開示により深く関与させようというと意図があるのでしょうか。三菱東京FGの 例をみると、この確認のために「情報開示委員会」という組織(どの程度実態があるのかわかりませんが)を新設しています。単にサインだけすればよいというものではなさそうです。
  • 日本経団連の公表した国際会計基準問題(2005年問題)に関する提言の解説が出ています(遠藤博志「日本経団連の国際会計基準問題に関する提言について」)。会計基準に関する日本経団連の見方は、2005年以降も米国基準、日本基準、IASが併存し、それぞれ独自の道を歩むというもの(IASへの収斂には否定的)です。
  • そのような基準間の違いを残すという方針で行くのであれば、レジェンド問題については、レジェンドを削除させるという方向ではなく、米国基準やIASで作成した財務諸表への監査報告書についても警句(レジェンド)をつけさせるということで解決した方がよいと思います。基準間で大きな差異があるのは事実なのですから・・・。
経理情報2003年11月10日号
  • 「役員報酬制度の改革事例と会計・税務のポイント」(岡本努・阿部光成)という特集が組まれています。設例形式で、商法・会計・税務の論点がまとめられています。最近の役員報酬に関連する商法改正の影響で、その会計処理の問題点も浮かび上がってきているようです。
  • 記事から会計上の論点として気になるものをピックアップすると、(1)業績連動型の報酬の会計処理(計上時期など)、(2)利益処分による取締役への賞与の会計処理(ASBで検討中)、(3)ストックオプションの会計処理(その特殊な例として行使価格を1円とするようなケースの扱い)、(4) 役員退職慰労金の代わりに自社株を支給する場合の会計処理(現行基準では全く費用が計上されない?)、などがあります。

2003年10月26日

JICPAジャーナル 2003年11月号
  • 関東財務局による「半期報告書の作成・提出に際しての留意事項」が掲載されています。その中に、半期報告書の記載内容の適正性に関する代表者の確認書( 今のところ任意の開示事項)を添付する場合の記載例が出ています。記載例の中では、「当社は、半期報告書を適正に作成するため、・・・[内部統制について具体的に記載する ]・・・体制を採用しておりますが、私は、当該半期報告書の作成に当たり、この体制が適正に機能していたことを確認しました」というような内部統制について具体的に書く箇所があり、なかなか難しそうです。「確認しました」と宣言し、自署押印する以上どうやって確認したのかということも当然問題となるでしょう。
  • このような確認書は米国の企業改革法の規定をまねたものだと思いますが、米国上場企業は別として、どのくらいの企業が任意に開示するのでしょうか。
経営財務H15.10.20号
  • 法制審議会会社法部会のとりまとめ状況が出ています(経財トピックス)。会社法の体系自体を見直すという大幅な改正のようですが、会計士にとっても気になる事項がいくつかあります。
  • (1)連結計算書類作成会社の完全子会社については、会計監査人の設置を強制しない、(2)会計監査人を株主代表訴訟の対象とするなど、会計士業界にとっては厳しい改正事項もあります。
  • 計算関係では、(1)利益配当、資本・準備金の減少に伴う払い戻し、自己株式の買い取り等の、会社財産の払い戻しに対する統一的な財源規制、(2)利益処分等に対する会計監査人の関与のあり方の見直し、(3)資本準備金と利益準備金の科目の区別の廃止、などが検討されています。
  • 組織再編関係では、合併対価の柔軟化(合併の際に存続会社の株式を交付せず金銭を交付することを認める等)が取り上げられています。
  • 平成15年3月期の継続企業の前提に関する開示・監査について分析を行った論文が掲載されています(盛田良久「ゴーイング・コンサーン情報の開示と監査」)。注記がなかったのにその後倒産してしまった事例の評価は、少し厳しすぎる感じもします。
  • なお、これとあわせて、3月期における実際の注記例も載っています。

2003年10月19日

経営財務H15.10.13号
  • 今年7月以降に倒産した上場会社について、直前の15年3月期にゴーイング・コンサーンの注記があったかどうかという担当監査人にとっては意地悪な調査を行っています(経財トピックス)。調査の結果では、ゴーイング・コンサーンの注記がないのに倒産してしまった上場会社の例が4件あったそうです(うち1社は4大監査法人の一つが監査していた)。これらの会社の最近の財務指標も載っていますが、巨額の赤字が1年おきに発生したり、自己資本比率が1%未満だったりと、「継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象」はうかがえるものの、会社によっては、直前期の損益自体は黒字を維持したり、売上は横這いで経常利益は増益傾向にあるなどの業績回復を示唆するような指標を示している例もあります。一般に企業が倒産するのは資金繰りがつかなくなったときであり、監査人は、銀行が本当に支援する気があるのかというところまで踏み込んで監査する必要があるのでしょう。

  • 法務省の担当官による商法と商法施行規則の改正に関する解説が載っています(郡谷大輔稿「商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律及び同法の施行に伴う商法施行規則の改正の解説」)。この商法改正では、定款授権に基づく取締役会決議による自己株式の取得ができるようになり、また、中間配当限度額の計算方法の見直しがなされ、施行規則ではこれらに伴う改正が行われたほか、ストック・オプションに関する記載事項も変わりました。新規則では、「特定使用人等」(子会社の取締役などを含む)については、上位10名に入っているか、あるいは、計算書類作成会社の役員よりも多数のストックオプションの付与を受けた場合のみ個別開示を行うことになりましたが、計算書類作成会社の役員で付与を受けていない者がいる場合には、どう考えたらよいのでしょうか。私の周りの議論では、(1)ストックオプションを付与された計算書類作成会社役員よりも多数付与された場合のみ個別開示すればよいという説と、(2)付与されていない 計算書類作成会社役員の付与数をゼロと考え、ゼロよりも多い株数を付与された場合(つまり付与された場合すべて)には個別開示するという説の2説あります。改正の趣旨からしてたぶん(1)でよいと思いますが、規則上ははっきりしていません。
企業会計2003年11月号
  • 「取引の複雑化と収益認識の論点」という特集の中で、米SECのSAB101号を紹介して、わが国の実務でも問題になりそうないくつかの点を取り上げいる論文がありました(藤田敬司稿「 日本における収益認識基準のあり方と具体的適用問題の検討」)。SABの内容は日本の実務とそれほど離れていないようですが、返還不要の入会金、アップ・フロント・フィーについては繰り延べなければならないとされており、日本の実務よりは保守的な処理となっています。
週刊東洋経済2003.9.27号
  • 「間違いを認めない会計士の体質が多くの企業を窮地に陥れる」(橘真理夫・榊原徹稿)という大げさな題名の論文が載っていたので読んでみました。 2月に会計士協会から公表された審理情報「包括的長期為替予約のヘッジ会計に関する監査上の留意点」を批判したものですが、要するに、為替予約の期間が長いほど現在のレートより安くドルを買えるのに、それを認めないのはけしからんということのようです。
  • 論文によると、今の為替レートが118円として、期間10年のフラット為替を約定すると、次月から毎月101.74円でドルが買える のだから、「市場の変動がない前提で」は、企業には大きなメリットがあるそうですが、本当にそうなのでしょうか。この設例では、1ヶ月ものが117.86円、5年ものが102.13円、10年ものが82.38円という先物為替レートが 想定されています。つまり10年後には1ドルを82.38円で買えるとその時点の市場は予想しているわけです(長期ほどドルが安くなるのは日米の金利差による)。10年後もしその予想通りの レートになっていたら、ライバル企業が82.38円でドルを買って輸入原材料の代金を支払えるのに対し、長期予約をしていた企業は101.74円という非常に不利なレートでドルを買わなければなりません。
  • もちろん、企業には円ベースのキャッシュ・フローを確定しておきたいというニーズはあり、協会の審理情報でも長期予約でヘッジ会計を認めていないわけではありませんが、そのようなヘッジ目的であれば、不自然なフラット予約レートを使わずに、1ヶ月後の決済には1ヶ月ものの為替予約(117.86円)、10年後の決済のためには10年ものの為替予約(82.38円)を使えばすむはずです。最近は、現存する長期フラット予約を、含み損を残したままより長期の契約に変更するという動きもあり注意が必要です。
  • 論文には、「会計士にとっても、監査先のクライアント企業に対する法的責任はいうに及ばず、直接契約関係のない相手方からも不法行為を問われる可能性があることを忘れてはならない」といったおどしまがいの文章もあります。ネットで調べてみると、この論文の筆者は外資系の証券会社に所属しているようですが、 きつい言葉で会計士をののしっていれば、ディリバティブが売れるとでも思っているのでしょうか。
  • くれぐれも、長期フラット予約にはまって、10年後に窮地に陥る企業がないことを祈ります。