2000年5月19日開設2002年4月21日更新ホームページに戻る

会計関連ホームページから

このページでは内外の会計関連ホームページから興味を引かれたものを選んでご紹介します。

左の欄の日付は、各記事の作成日であり、それぞれのホームページに掲載された日付ではありません。

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2002年4月21日
金融庁
ホームページから
http://www.fsa.go.jp/
◇企業会計審議会、「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書(公開草案)」を公表

 固定資産の減損会計と投資不動産の取扱いについて審議を進めてきた企業会計審議会は、2002年4月19日付で「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書(公開草案)」を公表しました。5月21日まで各界のコメントを求めています。

 大枠では、昨年7月に公表された「経過報告」と同じ内容ですが、実施時期など新たに明らかになった点もあるので、簡単にその内容を紹介します。

  1. 実施時期

  2. ・平成17年(2005年)4月1日以後開始する事業年度から実施(したがって、3月決算の場合、2005年9月中間期から適用になります)。
    ・平成16年(2004年)4月1日以後開始する事業年度から早期適用することもできる。(この場合も中間期から適用)
    ・平成16年3月31日から平成17年3月30日までに終了する事業年度に係る財務諸表及び連結財務諸表についても適用することを妨げない。(つまり、年度決算から適用)
  1. 対象資産

  2.  金融資産、繰延税金資産、前払年金費用を除く固定資産に適用されます。ただし、除外される資産は例示なので、これ以外にも除外される資産があるかもしれません。
  1. 減損の兆候

  2.  減損の兆候がある資産について、減損損失を認識するかどうかの判定を行います。減損の兆候としては、
  • 資産が使用されている営業活動から生じる損益又はキャッシュ・フローが継続して赤字
  • 資産が使用されている範囲・方法について、資産の回収可能価額を著しく低下させるような変化が発生(具体的には、事業のリストラ、資産の処分・転用・遊休化等が見込まれること)
  • 資産が使用されている事業に関連して、経営環境が著しく悪化
  • 資産の市場価格が著しく下落
が、例として挙げられています。
  1. 減損損失の認識・測定及び会計処理

  2.  減損損失を認識するかどうかの判定は、資産が生み出す割引前の将来キャッシュ・フローと帳簿価額を比較することによって行います。割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回っている場合には、回収可能価額まで帳簿価額を減額します。当該減少額は、損益計算書上の損失となります。
  1. 回収可能価額

  2.  回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い方の金額と定義されています。正味売却価額とは、資産の時価から処分費用見込額を控除して算定される金額であり、使用価値とは、資産の継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの(割引)現在価値です。
     減損損失を認識するかどうかの判定には、割引前の数値を使い、減損損失の測定には割引後の数値を使っている点が特徴的です。
  1. 将来キャッシュ・フロー

  2.  この基準におけるキャッシュ・フローの見積もりは、時価算定が目的ではないので、企業に固有の事情を反映した見積もりを行うことになります。
     資産の現在の使用状況や合理的な使用計画を考慮するとしており、将来の設備投資やリストラによるキャッシュ・フローをどこまで織り込めるかについて、一定の制限をしています。
     減損損失を認識するかどうかの判定の際に見積もられる割引前将来キャッシュ・フローの見積期間には、20年という上限を設けています。機械装置などの場合は、ほとんど影響がないと思いますが、不動産の場合は、この上限にひっかかるケースもあるかもしれません。
     割引後の数値である使用価値の算定に当たっては、このような制限はありません。
  1. 資産のグルーピング

  2.  固定資産については、ほとんどの場合、複数の資産が一体となって、キャッシュ・フローを生み出します。そこで、資産のグルーピングについても、ルールを決めておく必要があります。公開草案は、資産グルーピングを、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位(基準の中では「資産グループ」といっています)で行うとしています。
 このほか、共用資産やのれんの取扱い、割引率、リース資産の取扱い、表示・注記などについても規定しています。

 また、減損会計と並んで検討課題となっていた投資不動産の扱いについては、従来どおり取得原価基準を採用することになりました。ただし、減損会計は他の有形固定資産と同様に適用されます。時価の注記については、結論が出されなかったため、当面見送りとなります。 

2002年4月21日
日本公認会計士協会
ホームページから
http://www.jicpa.or.jp/
◇日本公認会計士協会「エンロン事件の日本への影響(中間報告)」を取りまとめる

 日本公認会計士協会は、会員向けの情報として、2002年3月26日付で「エンロン事件の日本への影響」を取りまとめました。

 主に、わが国の監査の信頼性を高めるために、エンロン事件の教訓を、どのように生かすかという観点からまとめられていますが、エンロン事件で問題となった特別目的会社(SPC)をめぐる会計処理についてもふれているので、その部分を紹介します(要約)。

  • わが国の会計基準は、SPCが連結対象外となることについては、一定の要件のもとで認めている。しかし、連結対象外とした場合においても、資産を譲渡した会社が当該SPCの損失を負担することとなる場合には、その費用の引当計上を求めており、相当に厳格な基準になっている。
  • わが国には、SPCスキームとして様々な形態があるといわれており、JICPAとしては、最近のSPCの実態を十分に把握しているわけではなく、実態調査を実施する必要がある。その結果、問題があれば早急に検討したい。
 わが国では米国ほど野放図にSPCが使われているとも思えないので、現状認識としては、協会のいっていることが当たっていると思いますが、実態の把握は早急に必要でしょう。
2002年4月18日
経済産業省のホームページから
http://www.meti.go.jp/
◇経済産業省、企業経営と財務報告に関する研究会の報告書を公表

 経済産業省は、4月17日「企業経営と財務報告に関する研究会」の報告書を公表しました。

 この報告書は、「T 我が国企業の財務報告に係る基本認識と検討の方向」と「U 財務報告の有用性の向上と信頼性確保のための課題と必要な取組み」の二部構成になっています。Tで我が国企業の財務報告について現状分析を行ったのち、Uでいくつかの具体的な提案を行っています。どこかで聞いたような議論が多く、これといって目新しい内容はありませんが、一つの報告書に全て盛り込んだという点に意義があるのではないかと思われます。以下、提案の部分を簡単に紹介します。

  • 商法・証券取引法の開示の一元化

  •  商法と証券取引法による開示を一元化することが重要である。計算書類の内容は、有価証券報告書の要約版とし、希望する株主に、後日、有価証券報告書を送付すること等も考えられる。
     しかし、財務報告スケジュール上の制約(株主総会開催日との関係など)があるので、短期的には、企業が可能な範囲で両法体系に基づく開示を一元化することができる制度とすることが現実的である。具体的には、商法施行規則について、財務諸表、注記、様式、用語に関しては、財務諸表規則、連結財務諸表規則、開示府令に定められた開示内容によることができることとするなどの改正を行うことが必要である。
  • MD&A

  •  企業は、欧米企業が開示しているMD&A(経営者による財務状況及び経営成績の討議及び分析)の内容も参考として、各種の情報をより積極的に開示していくことが必要である。
  • リスク情報

  •  有価証券報告書においても、有価証券届出書と同様に、リスク情報の開示を制度化していくことが必要である。
  • 役員の個別報酬開示

  •  一定範囲の役員に係る個別報酬の開示を制度化することが望ましい。
  • 四半期開示

  •  今後、四半期開示にあたり課題となる会計基準、外部監査人による関与のあり方等を含め、四半期報告書の制度化を検討することが望ましい。
  • 米国会計基準及び国際会計基準採用の許容

  •  IASBの公表する国際財務報告基準について、一定の適用実績により信頼性が確保された段階で、米国会計基準と同様に、海外で資金調達を行う国内企業に対し、国内における開示にもその適用を許容すべきである。
  • 個別財務諸表に対する持分法の導入

  •  個別財務諸表に持分法を導入することについては、関係会社の業績を親会社の業績に遅滞なく反映させるといった観点から、望ましいという意見もあるが、一方、慎重に検討すべきという意見や反対であるという意見もある。また、そもそも個別財務諸表の開示は不要ではないかという意見もある。
  • 経営者の財務諸表作成責任の宣誓

  •  経営者は、財務諸表の作成責任があること、財務報告の信頼性を確保するために必要な取り組みを行う責務があること等を記載したものを、会計監査人や監査役の監査報告書の前に自主的に添付することが望ましい。
  • 内部統制

  • ・内部統制の構築を自らの責任として明確に認識し、実効性のある内部統制の構築を進めていくことが、経営者に強く求められている。
    ・内部統制の構築の状況について開示を行い、財務報告の信頼性を確保すべきである。
    ・改正商法の「委員会等設置会社」に対しては、内部統制の構築に係る基本方針である取締役会の決議事項を営業報告書に開示することを義務付けることが適当である。
    ・わが国に適した内部統制のフレームワークを検討していくことが重要である。
  • ガバナンスに係る状況の開示

  •  社外監査役や執行役員制度などのガバナンスの状況について、営業報告書において開示することを義務付けるべきである。
  • 外部監査人の選・解任の透明性確保

  •  外部監査人の辞任、再任の拒否または解任があった場合、監査人との意見の不一致の有無、その記載に係る監査人の見解等を、臨時報告書や有価証券報告書に記載することについて検討することが必要である。
  • 監査業務及び非監査業務の報酬の開示

  •  監査業務及び非監査業務の報酬等の情報は、営業報告書に開示を義務付けることが必要である。
  • 行政による監視機能の強化

  •  財務報告の虚偽記載のみならず投資家等に誤解を与える記載等を一元的に監視する強力な体制を国として早急に構築していくことが必要である。
  • 民事的救済の実効性確保のための環境整備

  •  株主や投資家が民事的救済を受けやすくする環境を整備することが必要である。
2002年1月6日
財務会計基準機構
ホームページから
http://www.fasf.jp/
◇企業会計基準委員会(ASBJ)、「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準(案)」を公表

 企業会計基準委員会は、2001年12月21日付で、「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準(案)」及びこれに関連する適用指針の案を公表しました。委員会では1月18日までコメントを募っています。

 公表されたのは、「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準(案)」(企業会計基準公開草案第1号)、「同適用指針(案)」(企業会計基準適用指針公開草案第1号)、「その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理(案)」(同第2号)の3本です。これら基準・適用指針(案)には、資本の部の区分の見直しや資本準備金から行った配当を受け取った側の会計処理も含まれています。大々的な自己株の取得・処分や法定準備金の取り崩しを予定していない会社も、チェックしておく必要があると思われます。

 以下公開草案の簡単な要約です(カッコ内は感想・コメント)。企業会計基準委員会のホームページで公開草案の全文を入手可能です。

  • 資本の部を「資本金」「資本剰余金(資本準備金とその他資本剰余金」「利益剰余金(利益準備金とその他利益剰余金)」「その他(その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定、自己株式など)」に区分する。(企業会計原則による区分から変わることになります。適用指針案の方に区分の例示がなされています。)
  • 自己株式は取得原価をもって資本の部から控除する。連結決算においては、連結子会社が保有する親会社株式や持分法適用会社が保有する親会社株式も同様の扱いとなる。(連結決算では、公開草案で取り上げられていない派生的論点として、連結子会社が自己株式を取得した場合の取扱いが問題になると思われます。理屈上は連結子会社がマイナスの増資を行ったとみなして処理する必要があるのではないかと思われます。)
  • 自己株式処分差益は「その他資本剰余金」に計上する。
  • 自己株式処分差損は「その他資本剰余金」から減額し、減額しきれないときは「その他利益剰余金」のうち当期未処分利益から減額する。その他資本剰余金を減額する場合、自己株式処分差益から構成される部分をまず減額し、減額しきれない場合には、「資本金及び資本準備金減少差益」から構成される部分を減額する。(自己株式処分差損について「資本金及び資本準備金減少差益」を減額する場合があるということは、減資や資本準備金の取り崩しという商法上の手続きの有無によって、処分差損を差し引くべき区分が変わるということになります。処分差益を超える差損は利益剰余金から差し引くと決めてしまった方がよいのではないかと思います。)
  • 連結子会社における親会社株式の売却損益(親会社持分相当額)の会計処理は、親会社における自己株式処分差額の会計処理と同様とする。(自己株式の売却損益は、税制改正により税務上の益金・損金から外されるようですが、子会社における親会社株式の売却損益は所得計算に含めることになると思われます。そうすると、例えば、親会社株式の処分差益が生じた場合に、処分差益は連結上資本剰余金に計上されるのに対し、処分差益に課せられる法人税等は損益計算書に計上されることなります。このような不整合は無視するということになるのでしょうか。)
  • 資本金及び資本準備金の取崩によって生ずる剰余金は、「その他資本剰余金」に計上する。(商法上は減資差益(商法改正後発生したもの)や資本準備金取崩益も、未処分利益と区別しませんが、ここでは資本剰余金と利益剰余金の区別という会計の理屈を通した形になっています。)
  • 個別財務諸表における利益処分計算書には、「その他資本剰余金」の処分を含める。また、連結財務諸表においては、連結剰余金計算書の内訳として、資本剰余金計算書と利益剰余金計算書を設ける。(これにより、株主の拠出資本のうちその他資本剰余金の変動は、基本財務諸表に表示されることになります。しかし、肝心の資本金や資本準備金の変動について、付属明細表をみないとわからないというのは、ちぐはぐな感じがします。ここまでくれば、株主持分計算書を財務諸表のひとつにすべきではないかと思われます。なお、適用指針案の方で利益処分計算書や連結剰余金計算書の例示がなされています。)
  • 株主がその他資本剰余金の処分による配当を受けた場合、配当の対象となる有価証券が売買目的有価証券である場合を除き、原則として配当受領額を有価証券の帳簿価額から減額する。(個人的には、この論点が最も論議を呼ぶ点ではないかと考えています。たしかに、草案のように決めておかないと、例えば子会社の増資を行って、そのうち資本準備金部分をすぐに取り崩して配当するような場合に、親会社で利益が計上されてしまいます。しかし、草案の「結論の背景」でもふれていますが、今までのように資本剰余金からの配当がないときであっても、配当する側の区分と、配当を受ける側における会計処理や配当の意味は必ずしも整合していません。例えば、減資によって欠損金を消した後の年度に利益が出て配当を行ったような場合には、その配当には厳密にいうと拠出資本の払い戻し部分が含まれているにもかかわらず、受け取った側では収益計上しています。また、配当基準日の前日に株式を購入して、すぐに配当を受けたような場合には、配当する側にとっては利益処分であっても、投資した側にとっては、その配当は実質上、投資の払い戻しです。実務上も、配当を受け取る都度、配当した会社におけるその原資を確かめるというのは煩雑です。配当する側の処理とされる側の処理が完全に整合していなければならないとすると、利益の資本組入が行われた場合には、株主は株式の帳簿価額を増額する必要があります。資本剰余金から行われる配当も収益計上するが、そのかわり、有価証券の減損処理も厳格に行うという方が無難なような気もします。)
  • 売買目的有価証券の場合は、配当受領額を売買目的有価証券運用損益として計上する。その他、配当受領額を収益計上することが明らかに合理的である場合(減損処理などにより有価証券の評価差額を損益計上した場合など)は、収益に計上できる。(配当金を帳簿価額から差し引くかどうかは、評価差額算定より前のプロセスである取得原価の決定に関わっています。資本剰余金から行った配当金を帳簿価額から減額するのが原則であるならば、そのようにして取得原価を決定したうえで、評価差額を計算し会計処理すべきだと思われます。売買目的有価証券については取得原価をどのように決めても結果は変わらないともいえますが、少なくとも商法の配当可能利益の算定には影響します。)
  • 平成14年4月1日以後適用する。自己株式処分差額については、平成14年3月31日までに発生した処分差額は損益計算書に計上する。(2002年4月決算から適用するとも読めますが、例えば3月決算で2002年6月総会での利益処分は新基準によるのでしょうか。)
2002年1月6日
日本公認会計士協会
ホームページから
http://www.jicpa.or.jp/
◇会計士協会、「退職給付会計に関する実務指針」の改正を公表

 日本公認会計士協会は2001年12月10日付で、厚生年金基金の代行部分返上に関する取扱いを盛り込んだ「退職給付会計に関する実務指針」の改正(項目の追加)を公表しました。

 これによると、確定給付企業年金法に基づいて厚生年金基金の代行部分を返上することは、代行部分についての退職給付債務の消滅であるとされています。そして、代行部分を返還した日において、代行部分に係る退職給付債務の消滅を認識し、年金資産の返還相当額との差額を損益として認識します。また、未認識過去勤務債務、未認識数理計算上の差異及び会計基準変更時差異の未処理額は、代行部分に対応する金額を損益として認識するとされています(繰り延べは認められない)。

 また、確定給付企業年金法に基づく企業年金への厚生年金基金の移行の認可に関する同法の規定が施行されるまでの経過措置として、一定の条件を充たしている場合には、代行部分の将来分支給義務を免除する厚生労働大臣の認可の日において、代行部分に係る退職給付債務と年金資産の返還相当額が消滅したものとして会計処理することができるとされています。

 一般的には、代行部分返上によって企業には利益が生じるようですが、変更時差異が多額に残っているような場合には、会計上、返上による損失が計上される可能性もあります。

 なお、退職給付会計の見直しは、公認会計士協会と企業会計基準委員会の共同プロジェクトとなっています。企業会計基準委員会からは、2001年12月26日付で、「退職給付制度間の移行等に関する会計処理(案)」が公表されています。

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