音楽が終わったら
音楽が終わったら
音楽が終わったら
灯りを消してくれ
灯りを消してくれ
とはジム・モリスンさん。一日の最後。入念に選んだ閉めの曲を聴き終わり、仰せの通り灯りを消して眠りの入り口にそっと立つ。そして、いざその門を潜ろうとすると何やら外から耳を劈く絶叫が。チャリンガー(チャリ&シンガーの略)である。↓多分こんな奴だっぺ。

彼奴等は深夜の住宅街を、これでもかと絶唱しながら曝走する不穏分子。飲んで気持ちよく歌っている千鳥足のお父さんとかそんな可愛いものじゃない。明らかに不特定多数を意識していて、聴かせようと発声も腹からいっちゃってる。その歌唱スタイルは、十中八九しゃくり上げるようなヴィジュアル兄さん達のアレで、気持ち悪い事此の上無し。寝しなの微睡みの中、瞬間通過して不意に放り出された行き場の無い歌は「残り香」ならぬ「残り歌」という虚無になって漆黒の闇に漂う。こちらも暫く瞑目してみるが、畢竟その虚無に耐え切れず「おりゃ!」と飛び起き、「残り歌」を払拭すべくまた閉めの曲を探す羽目になる。
音楽はきみの特別な友人なんだから
やつが意図するままに踊りまくれ
音楽はきみの唯一の友
終わるときまで
終わるときまで
終わるときまで
終わるまでは!
チャリンガーの唯一の友が音楽ならば、その音楽が終わるときまで彼奴等は鬱屈した欲望をペダルに載せて歌い続けるだろう。しかし彼奴等は気付くべきだ。その歌は何処にも誰にも届かない歌である事を。世界の闇と哀しみが深まるだけだという事を。要するに寝れなくなるから止めてくれという事を。しかし中には、只管「♪飛んで イスタンブール〜」を連発するだけというセンスの良い奴もいて、これには不覚にも笑ってしまった。畢竟するにAll You Need Is Humor。有りか無しは万事これに尽きる。

0