午後から
FMオペラアワーでメトロポリタン歌劇場のオペラ「後宮からの誘拐」が放送されました。2008年5月3日の公演。いそいそと録音♪
全3幕のドイツ語によるジングシュピーゲル。このオペラはモーツァルトが最も幸福に満ちた時期のもので、その明るさが作品にも現れているとか。
なるほど、メトの管弦楽団のきゃっきゃとはじけた序曲で始まりました。劇中ではキュッキュと乾いた音のヴァイオリン、トルコ風のエキゾチシズムを演出するためだというバスドラム、シンバル、トライアングル、ピッコロが「今日は暴れてもいいんだー」とばかりに活躍します。それから合唱もむやみに元気がよかった。どうしよう、これがデフォルトになっちゃったよ。
ここでのダムラウは文字通りプリマ、女王様ですね〜。声の存在感がダントツです。美しく、強く、華麗です。このオペラは女性と男性それぞれの主人公に同じ声域の召使いがいます。
ベルモンテのマシュー・ポレンザーニは柔らかくてちょっとポ〜ッとした御曹司ふう、ペドリルロのスティーヴ・ダヴィスリムは殿様をさりげなく支え、自分の恋もちゃんと持って帰っちゃうぞという頼もしい使用人ふう。うん、ドイツ語ゼロ初級でもわかりやすい歌劇だなあ。
ブロントヒェンのアレクサンドラ・クルザークは、初めて聴く歌手ですが、それでも1幕はじめは「もしかして絶不調?」と心配になるほど空回り。ダムラウとほぼ前後してコロラトゥーラを(少しだけれど)こなさなければならないなど、なかなかプレッシャーの大きい役でしたから…ね。でも2幕の冒頭(なにやら大きな音を立てて暴れたらしい?)から徐々に落ち着いた感じになり、2幕最後の四重唱はとてもよかったです。
未完成のドイツ語オペラ「ツァイーデ」のアリアを彷彿とさせるフレーズもあり。しかし、「ツァイーデ」のように欲求不満がつのる未完の作品とは違い、ドーパミン大放出の娯楽作品、最後まで楽しめました。