うちの近く(別にどこでもそうだと思いますかが)の区役所の掲示板には、大きな工事や区民へのお知らせなどの他に、ひっそりと紛れて、センターに保護された犬や猫の表示があります。↓こんな感じ。
これは、保護された場所や、その動物の特徴などが書かれているのですが、上の文章の部分には、処分までの日付が入っていて、私は、前を通るたびに、これを見て、「ああ、この雑種の犬は3日後にはガスで殺されるのだ」と憂鬱な気分になります。
せめて、期限が切れたら、それから譲渡申請受付、とか、里親探し会の日程とかがあれば少しは救われるのに、そういう文字が書かれていた事は私が見る限り1度もなくて、「処分」という二文字がとても重いものに感じます。
毛皮を見た時、実験動物の情報を見た時、鳥インフルエンザで生きたまま大きな穴に落とされる鶏やひよこの映像を見た時、私はいつも空を見上げて、虹の橋なんて本当にあるのかなぁ・・・・と考えます。
今日、11/11は殆ど知られる事のない、とある犬が宇宙で命を絶たれた日とされています。
犬の名前はクドリャフカ。旧ソ連が1957年に打ち上げたスプートニク2号に乗って初めて宇宙へ出る生命体として選ばれた体重僅か5sの女の子です。
同年の11/3にスプートニク2号は彼女を乗せて地球を飛び出し、4/14に大気圏に突入して燃えつきました。
つまり、もともと、彼女は生還する事のない実験動物だったわけです。
当時公式には3日の打ち上げから8日後に薬入りの最後の食事がチューブで彼女に流し込まれて絶命されたという事ですが、後に、数日後には死んでいたと発表され、さらに最近では数時間生きていたかどうか・・・と専門家が指摘しています。
彼女が何を思い、どんなストレスを受け、どれだけの不安と孤独と恐怖を感じていたか、誰にもわかりません。彼女がスプートニクに乗せられた瞬間から、彼女に差し出される誰かの手も、名前を呼ぶ声もなくなり、ただ無機質な機材だけか彼女と共にあっただけですから。
散歩の時、会社へ行く時、大抵小銭が落ちていないか、下を向いて歩くのが私のモットー(←これもまた、ある意味なんだか孤独。)ですが、時折空を見上げては、クドリャフカや、人間の為に殺されていった沢山の命を思い祈ります。
そうして、ふと、足元の子供達一人一人に、自分はこの子達を愛しているだけでなく、満ち足りた幸福感を注いでいるだろうか?と問いかけるのです。
まぁ・・・多分、こんな寝姿でまったりしている程度には幸福だと信じていますがね
今日は生憎の雨ですが、もし、晴れた日、空を見上げたら、どうか、多くの人に知られる事なくひっそりと宇宙で死んでいった彼女の為に、そして、オートマチックに処分されていくたくさんの犬や猫、生きながら皮を剥がされる無力な動物達、私達の健康や食生活の為に犠牲になっている多くの動物達の為に、ほんの少しだけでも、祈りを捧げてください。

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