倉本聰さん「歸國」7月に上田で公演
信濃毎日新聞 “信毎つうしん” 平成23年1月5日掲載
脚本家の倉本聰さんが脚本・演出を担当し、「富良野GROUP(グループ)」が演じる舞台
「歸國」を7月10日、上田市二の丸の上田市民会館で上演します。
歸國は、作家棟田博さん(1909〜88年)の小説「サイパンから来た列車」をもとに、倉本さんが台本を書きました。終戦記念日の深夜、静まり返った東京駅のホームに、ダイヤには記されていない一台の軍用列車が到着します。そこに乗っていたのは、太平洋戦争中に南の海で玉砕し、海に沈んだ英霊たち。彼らの目的は、平和になった故国を目撃すること。そして、まだ海に漂う多くの魂に現状を伝えることです。長年夢見た帰国の時、彼らが今の日本に見たものとは・・・・。
上田市での公演は、同市出身で出版社理論社を創業した小宮山量平さんが、倉本さんから送られた脚本を見て、実現を希望したのがきっかけ。小宮山さんは、灰谷健次郎さんの
「兎の眼」などの児童文学や、倉本さんの「北の国から」などを出版しました。同市には戦没画学生の遺作を集め展示している「無言館」があります。舞台の重要な場面に戦没画学生のエピソードも盛り込まれました。
富良野GROUPは、倉本さんが1984年から昨年3月まで、北海道富良野市で演劇の講義や訓練を行ってきた「富良野塾」が前進。昨年の全国公演で好評だった舞台を新たな出演者で練り直し国内を巡ります。
