子どもからのラブレター 上田のNPOらが公募 近く文集に
信濃毎日新聞 2月22日付東信版掲載
上田市のNPO法人「上田演劇塾」と「エディターズミュージアム」(同市天神)が大切な人に思いを伝えようと、県内外の小中学生から初めて公募した「子どもからのラブレター」は、家族や部活動の恩師といった身近な人から、アイドルや飼育しているペットまで、さまざまなあて先の手紙が集まった。相手を思い浮かべて選んだ言葉が連ねられている。
近く文集にまとめ、エディターズミュージアムで公開する予定だ。
「この地球にいる人へ」と記して思いを伝えたのは、上田市の中学一年生の女子生徒。「とつぜんですが、命を大切にしてください。(中略)『命』ってなんだろう?と考えたことがありますか?」と問いかける。日々伝えられる世界の戦争、病気や事故などで意思に反して亡くなった人たちに思いをはせ、「『命』という、大切な言葉は国などの問題ではなく、世界の問題だと思っています」とし、「私は、地球上にいる人々が大好きです」と結ぶ。
上田市の小学三年生の女子児童は、あいさつをすると気持良くなるーと教えてくれた祖父に「おじいちゃん、またいろいろな話聞かせてね。うんと長生きしてね」と伝える。
上田演劇塾事務局長の岩下郁子さん(61)は、携帯電話やメールが普及する中、子どもたちが懸命に手書きした内容を「素朴で純粋」とする。エディターズミュージアム代表の荒井きぬ枝さん(60)は、「ある瞬間の気持を書き留めた手紙と、相手との間に生れた信頼関係やつながりは、将来自分を励ましてくれるはず」と話す。
今回集まった9通は、上田市内を含む県内が5通、東京、和歌山など県外からが4通だった。
同塾「NAGANO子ども演劇団」に所属する上田市内の小中学生13人の手紙と併せて文集にまとめ、筆者の子どもたちに贈る。
ラブレターは来年度も募集する予定。あて先を「母」と絞ったり、時期を長期休みに合わせたりと公募方法を工夫する。