2007/4/17

ミシュランガイドでフランス田舎旅  旅便利帳 Travel Tips
パリやフランスに行ったら、滞在中一度はミシュランの星付きレストランに、という人は多いはず。そういう意味では、ミシュランのレッドガイドはガストロノミ・バイブルとなっており、多くの日本人にとってもミシュランはタイヤメーカーというよりまずレストラン・ガイド。何かにつけ、ミシュランに載っているとか載っていない、とかいう騒がれ方もする。で、以下は私見ながらミシュランの活用について。

ミシュラン・レッドガイド フランス版の本来の使い方は、車に1冊常備しておくことにある。実際、私の知るフランス人、フランス人以外のフランス在住者も皆そうしている。

ミシュランの本業はタイヤメーカーであるのは周知の通り。フランスでは事実上ほぼ独占的地位を占める。つまり、ミシュランの地図は勿論のこと、ミシュランのレッドガイド(ホテル・レストラン)グリーンガイド(観光)も、そもそもの趣旨は、ミシュランのタイヤを履いてもっと走ってもらおうということにある。フランスは車社会であるところにもってきて、タイヤ業界で独占となれば尚のこと。比較的近年の対鉄道や対航空機との競争をおいたら、シェアの奪い合い自体が存在しない。やはり車の旅はいいなあ、もっと走ろう、と思ってもらわねばならない、というところからきた派生サービス事業のはず。

だから、フランス全土の田舎町まで網羅している。車でしか行けないような町までカバーすることにこそ意義があるから。そういった場所に仕事や休暇で車で赴き、夕食どうしよう、とか、今晩の宿どうしよう、という時に紐解く。予算的にも幅広くカバーしているから、各自のニーズにあったものが見つかりやすく、しかも質的にもハズレがない。実際、フランスの田舎の旅でそのような使い方をしてみると、ああ良かった、助かった、と思うものだ。

というわけで私見では、ミシュランに載っているということ自体は、ハズレがないということであって必ずしも排他的に優れている、というわけではない。ミシュランだって、ゼーンブ行ってみるわけには物理的にも行かないだろう。

そこで留意すべきは、もしそういう趣旨であるならば、スタンダードの低い町でミシュラン掲載になっていてもそれが100キロ離れた別の町だったら掲載にならない(同カテゴリー、同グレード、同予算)、ということもありうる、ということ。だから、載っているというだけで騒ぐこともないのではないか、と思うし、時に実感もする。

一方、スタンダードが高く、規模は小さいのにいくつも載っているという町ももちろんある。南フランスのレ・ボー・ド・プロヴァンスLes Baux de Provencesも一例。良質なオリーブや食材、美食にふさわしい澄んだ空気と景観に気鋭のシェフが惚れ込んでというだけでなく、住民数は少なくとも観光客が多く需要大だし情報も集めやすいという側面もあるだろう。町の人口450人に対し、この一帯としては宿4軒とレストラン2軒の掲載。宿のうち3軒が赤マーク(大変快適)、レストランのうち2軒が星付きというハイスタンダード。

さて、星付きとなると単なる掲載と意味あいも違ってくる。星の数が増えればそれこそ外国からパリやらどこやらまでそのために飛んできてもいいくらいのインパクトを持つようになり、まさにミシュランの排他的ご推薦の域に達した店となる。

つまり、星つきレストランは掲載レストランの中から生まれるとしても、掲載レストラン即ち星つきレストランの予備軍ではない。と思うが、“ミシュラン”や“星つき”がひとり歩きしてそういう勘違いも結構あるかな。1-2年前にあった癒着騒ぎもそれがもし本当なら、そういう勘違いが逆にもたらした産物なのでは。

で、日本版ができるそうだが、趣旨は自ずとフランスの場合とは違うことになる?それとも、新しい日本のレジャーのあり方、車の乗り方や車の旅まで変えてしまうようなインパクトを持つことになるだろうか、はともかく、以上は、フランス版、欧州版についての私的ミシュラン活用について。

クリックすると元のサイズで表示します写真は、東京でご対面したミシュラン社からプレゼントされたミシュランガイド フランス版。発売日3月1日にビシッと届けていただいていた。以前いただいたのがヨーロッパ版だったのはコメントして掲載になったレストランがロンドンの店だったからだろう。今度は、フランスの店だからフランス版か。皆がこれだけ旅の拠りどころとして信頼しているミシュランからアプリシエイトされたというのは、なんだか、というより素直に大変嬉しい。黙って拝借ではなく、利用の際にはきちんとお礼をというのはやはりディーセントな企業と企業人だと思う次第。

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