停電、小型発電機大もて メーカーは部品不足に苦慮(朝日新聞)
東日本大震災後の電力不足で、小型発電機の需要が急増している。製造する各社は増産を急ぐが、部品不足で思うに任せず、輸入を増やすことも検討している。
小型発電機は、ガソリンやガスでエンジンを回して電気を起こす。キャンプなどレジャー用のほか、工事や消防用の照明など業務用にも使われる。2010年の市場規模は国内で8万台程度で、ホンダやヤマハ発動機、富士重工業などが製造している。
普段はそれほど売れないが、震災後は一変。「通常の5倍程度の注文が来ている」(ホンダ)。各社はまず、被災地向けに多く寄付したが、計画停電が始まった関東地方でも需要が急増した。
カセット型ガスボンベ2本を使うホンダの「エネポ」は手軽さが人気で、価格は10万円程度。最大出力は900ワットで、照明はもちろん、暖房器具でも2畳用の電気カーペットぐらいなら使える。200ワット程度の使用電力なら、連続で最大2時間程度使える。
ヤマ発でも「通常の7〜8倍の注文がある」といい、富士重でも問い合わせが増えている。一般家庭や公共機関が購入するケースが多いほか、東京電力が医療機関などに貸し出すために多く注文しているという。
各社は増産を急ぐが、部品メーカーが被災した影響でなかなか進まない。ホンダが発電機を製造する熊本の工場は27日まで稼働停止し、28日に再開するが、増産できるかどうかは不透明だ。ヤマ発は海外生産用の部品を国内向けに回すなどして生産継続に対応する。今夏にはさらに需要が増える可能性があり、ホンダはインドの工場で増産し、輸入することも検討している。
品不足に加えて、発電機に不慣れな人が多く、事故が増えることも懸念される。震災後に都内では、室内で発電機を使って一酸化炭素中毒で死亡した事故が発生。ぬれた手で扱うと感電する可能性もある。各社は「必ず屋外で使い、感電にも注意してほしい」と呼びかけている。

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