オバマ氏「時間がない」強調 野党との債務上限問題交渉(朝日新聞)
米国の債務上限引き上げ問題で、オバマ大統領と米与野党が、ぎりぎりの交渉を続けている。政権側は、10年で2兆ドル程度の財政赤字を削減する策での合意を目指しつつ、合意できなければ上限だけを引き上げる緊急対策も視野に入れる。週末の間には、方向性を見いだしたい考えだ。
米国の財政は、債務の残高が議会が定める上限(14.3兆ドル)に達している。8月2日までに上限が引き上げられないと、米国債(借金)の返済が滞る債務不履行(デフォルト)になりかねない状態だ。オバマ大統領は15日、この週2度目となる記者会見を開き、「時間がなくなりつつある」と強調。「米国民が求めるのは問題解決であり、財政規律の回復だ」として、野党・共和党側に妥協を呼びかけた。
大統領は14日の与野党の指導部との交渉で、(1)10年で3兆〜4兆ドルの財政赤字削減を念頭に置いた大規模対策、(2)10年で2兆ドル程度の赤字を削減する中規模対策、(3)赤字削減は明示せず債務上限だけを引き上げる――という3案を与野党に提示した。
15日の会見では「(共和党側の反対で)大規模対策は難しくなっている」と認め、(2)案を目指すことを強く示唆。「犠牲を(社会の各層で)共有する必要がある」とも語り、高齢者や弱者にしわ寄せが大きい歳出削減だけでなく、税制上の措置で富裕層にも負担を求めたい意向を示した。

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