強まるギリシャのユーロ圏離脱観測、政府・企業は緊急対策作り急ぐ(ロイター)
欧州で、ギリシャのユーロ圏離脱に備える動きが広がっている。欧州連合(EU)首脳が、非公式会議後にギリシャ残留をあらためて訴えたにもかかわらず、少なくとも半数のユーロ導入国政府がギリシャ離脱シナリオを描き始め、銀行など企業にも同様な動きがみられている。
関係筋の情報によると、EU高官が加盟各国に、ギリシャが離脱した場合に備えた緊急対応策を準備するよう求めたとされる。欧州各国は、ギリシャが残留することが最善との立場を維持しつつも、離脱の事態に備え始めている。イタリアのグリリ経済次官は24日、ギリシャのユーロ離脱回避を目指しているものの、その可能性に備える必要があるとの見解を示した。
同次官は、ギリシャのユーロ離脱にイタリアが備えているかとの記者団からの質問に「いかなる場合にも、常に用意を整えておく必要がある」とし、「イタリアの目的は(ギリシャのユーロ離脱)発生を回避することだが、いかなるシナリオも可能だ」と述べた。
フィンランドは、ギリシャのユーロ離脱を含む、債務危機がもたらす可能性を想定した緊急対応策を用意している。ウルピライネン財務相は、記者団に対し「危機の様々な局面で、フィンランドは異なった道や計画について評価してきた」と指摘。その上でギリシャがユーロ圏にとどまることを望むと述べた。
ユーロを導入していないスウェーデンも、ギリシャの離脱を想定した準備をしている。ノーマン金融市場担当相は24日、ギリシャがユーロを離脱した場合に備え、万全の体制をとっていると説明し、当局間で緊密に連絡を取り合っていることを明らかにした。
同相はロイターの電話取材に「中銀や金融監督当局者と頻繁に会っている。われわれの備えは万全だ」と語った。ギリシャのユーロ離脱が実際に起きるかは分からないとする一方、スウェーデン国内の銀行や企業が抱えるギリシャへのエクスポージャーはわずかだとした。

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