ヘッジファンドのSAC、連邦大陪審がインサイダー取引で起訴(ブルームバーグ)
資産家スティーブン・コーエン氏が創業した米ヘッジファンド運営会社SACキャピタル・アドバイザーズが、前例のない仕組みのインサイダー取引を行ったとして、米連邦大陪審は25日、同社を起訴した。米政府が6年にわたって行っている捜査は大詰めを迎えた。
今回の起訴は元ゴールドマン・サックス・グループ 取締役のラジャット・グプタ被告が2011年10月にインサイダー取引事件で起訴されて以来、米政府にとって最も重要なケースとなる。グプタ被告は昨年、ニューヨークの連邦陪審から有罪評決を受け、その後禁錮2年を言い渡された。
マンハッタンの連邦裁が公表した起訴状では、SACは4件の証券詐欺と1件の電信詐欺の罪を問われている。米当局によると、問題となっているインサイダー取引は1999年までさかのぼり、20社以上が関与した。不正に得た利益は数億ドルにも上るという。1992年に設立されたSACは、今回の起訴と関連する当局の措置次第で廃業に追い込まれる可能性もある。
米当局はSACのインサイダー取引を可能にしたのは、「違法な内部情報を広範囲にわたり教唆し、使用することを奨励した組織的な慣行だ。個々の従業員による違法行為、またそうした違法行為に対する組織の無関心さが、今回のような大型かつ広範、さらにヘッジファンド業界において前例のない規模でのインサイダー取引へとつながった」と指摘した。
コーエン氏自身は起訴されなかったが、検察側は同氏を「ファンドの所有者」とみなし、内部関係者からトレーディング情報を入手するよう同氏が従業員に「促した」一方で、こうした行為が違法であるとの指摘は無視していたと述べた。

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