新生長野を元気に 初当選の加藤さん「若い世代と対話」(信濃毎日)
「これまで多くの会社や団体を元気にしてきた。今度は長野市を元気にする番だ」。無所属新人5人による戦いとなった27日投開票の長野市長選。12年ぶりの新しい市長として初当選を果たした前長野商工会議所会頭の加藤久雄さん(70)は、集まった多くの支持者と喜びを分かち合い、県都のリーダーとして転換期を迎える市政のかじ取りに気持ちを新たにした。
午後8時、SBCテレビの信毎開票速報が加藤さんの当選確実を伝えると、県町のホテルの会場に詰め掛けた約300人の支持者から、どよめきの声と拍手が湧き起こった。5分ほどで会場入りした加藤さんは、感極まった表情で目をやや潤ませた。壇上で花束を受け取ると、笑顔で両手を挙げた。
中山間地域の活性化や子育て支援の充実を求める意見など「各地を回りさまざまな声を聞いた」とし、「一つ一つにしっかり対応する」と強調。「各地で約束したことを着実に実行する」と語り、市職員に対して「可もなく不可もなくではなく、チャレンジ精神を持って思い切ってやってほしい」と述べた。
投票率が前回選を6・82ポイント下回る42・00%と低かったことについては「市民が現市政に大きな不満を持っていないとも受け取れる。市政への関心を高めるため、今後、若い世代と話す機会をつくっていきたい」とした。会場には加藤さんがこれまで後援会長を務め、今期限りで引退する鷲沢正一市長(72)も姿を見せ、加藤さんとがっちり握手した。
次点で敗れた元県議の高島陽子さん(45)は午後8時、開票速報が出た直後、約50人の支持者が待つ東鶴賀町の飲食店に現れ、「私の力不足で勝利できず、申し訳ありません」と深く頭を下げた。時折、涙を流しながら一人一人に握手をして回った「無所属市民党として戦ったが、残念」と強調。今後については「皆さんの助言をいただいて考えたい」とし、引き続き市民活動に取り組んでいく姿勢を示した。
県労連副議長の菅田敏夫さん(61)は鶴賀七瀬南部の事務所で「暮らし重視の市政への転換という課題は今後も残る。実現のため活動していく」と話した。元県林務部参事の河合博さん(64)は鶴賀田町の事務所で「世界に誇れる長野市にするため、私も継続して努力する」、会社役員の橋本将之さん(33)は高田の事務所で「自分から発信し、長野市のために何ができるか模索したい」と述べた。

0