原発事故時のNRC委員長、ヤツコ氏が福島第一原発視察(朝日新聞)
東京電力福島第一原発で事故が起きた2011年3月に米政府原子力規制委員会(NRC)の委員長だったグレゴリー・ヤツコ氏が12日、同原発を訪れた。同年12月以来で、4号機の使用済み燃料の取り出しの進展や汚染水問題の悪化を挙げて「この間に多くの『変化』があった」と述べた。
ヤツコ氏は東大での震災3周年のシンポジウムで講演するため、財団法人日本再建イニシアティブの招きで来日。放射能汚染水からストロンチウムなど62種類の放射性物質を取り除く装置「ALPS(アルプス)」と、使用済み燃料の取り出しのため原子炉建屋の上を覆う巨大な建屋が増設された4号機でバスから降り、中に入って現状を見た。
東電側との意見交換では「炉内の空冷はいつできるようになるのか」「最終的に水の一部は放出するのか」「タンクを造り続けるのか」などと、汚染水問題の先行きについて質問を重ねた。震災当時は福島第二原発所長だった増田尚宏・特命役員が「本当に空冷をしたほうがいいのかどうかも含めてまだ議論はいっぱいある」「汚染した状況で水を置いておくのは非常によくないので、まずは浄化する。その後どうするかは別の議論」などと答えた。

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