ギリシャとユーロ圏が瀬戸際の交渉、金融支援や債務で対立解けず(ロイター)
ギリシャ新政権とユーロ圏は週明け9日も、金融支援や債務問題をめぐって瀬戸際の交渉を繰り広げた。ギリシャのチプラス首相が現行の枠組みによる支援延長を拒否する一方、ドイツは支援プログラムなしに資金援助をすることはできないと一蹴。双方の溝はなお埋まっていない。
欧州委員会のユンケル委員長は、ユーロ圏がギリシャの要求に屈することはないと断言した。対立が激化する様相を見せていることに市場は動揺、米国とカナダが冷静な対応と譲歩を呼び掛ける事態となった。
ギリシャのバルファキス財務相は、ギリシャがユーロ圏からの離脱を余儀なくされれば、ユーロ圏はあっという間に崩壊すると警告した。ギリシャ政府側は、ユーロ圏がギリシャを破綻させるはずはないと信じている様子だが、一方で、ドイツのメルケル首相は、ギリシャ政府は持続可能な提案を持ってくるべきだと主張。ワシントンでの記者会見では「重要なことは、ギリシャが何を提案するかだ」と語気を強めた。
ギリシャは8日、緊縮策の撤廃を提案。今月末に期限が切れる現行の金融支援の枠組み延長を拒否した。さらに、ドイツに対して第2次世界大戦の賠償を要求すると表明するなど、強硬姿勢を崩していない。対立激化の兆しを受けて、ギリシャの銀行株は過去最安値付近に下落、国債利回りは大幅に上昇。欧州の金融市場全体にも緊張が走った。
チプラス首相は9日、訪問先のオーストリアで、今後数日以内にユーロ圏と妥協できると確信している、と明言。ギリシャ債務の再編を交渉する間、6月までの「つなぎ融資」をあらためて求めた。

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