日航、労組に賃下げを提案 パイロット優遇制度は撤廃(朝日新聞)
経営再建中の日本航空は13日、大幅な賃下げとなる給与制度の見直し案を六つの労働組合に提示した。パイロットは一定の勤務時間分の賃金を保障する制度などを廃止して2〜3割程度、社員全体では平均で1割強の賃下げとなる見通し。日航は9月までに労組と合意し、年度内に賃下げする考えだ。
賃下げの対象は、日航グループの中核会社である日本航空インターナショナルの社員1万4200人。年功序列を基本にした従来の給与制度を抜本的に見直し、若手や能力の高い人材への配分を厚くする。
2008年時点で平均年収が約1800万円だったパイロットは、実際の乗務の有無にかかわらず、月65時間搭乗した分の賃金を保障してきた制度を撤廃する。そのうえで、職責手当と実際の乗務時間に応じた給与体系にする。
客室乗務員も月50時間分の保障をなくす。整備など地上勤務の社員についても、時間外や休日などの手当を上乗せして支給してきたが、これらの上乗せ分をなくす。日航は今年1月の会社更生法申請後の暫定措置として、4月から5%の給与カット、定期昇給の停止、ボーナス全額カットを実施している。
日航は、賃下げのほか、グループ全体の3割にあたる約1万6千人の人員削減などにより、09年度に約3800億円の人件費を12年度に約2500億円まで減らす方針だ。

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