利益水増しの経緯語らず 不正会計問題の東芝会見(朝日新聞)
東芝の不正決算問題は、歴代3社長が会社を去り、取締役の半数、8人が辞任する異常事態を招いた。社長を辞任した田中久雄氏は意図的な不正との見方を否定した。だが、21日に全文が公表された第三者委員会による報告書は、田中氏が事業部門を利益水増しに追い込むなど不正が意図的で組織的だったことを浮き彫りにした。
■田中氏否定…報告書は「関与」「(不正の指示は)ございません!」。21日、都内で記者会見した田中氏。それまで記者の質問を「報告書の通りです」「真摯(しんし)に受け止めます」などとはぐらかしていた口調が、急に強まった瞬間だった。田中氏は「利益を出すことは大切だが、過程は適正でなければ。そのあたりがずれていた」と反省を口にしつつ、自身が不正を認識していたり、指示したりしたことは一切認めなかった。
だが、21日公表された第三者委の報告書全文では、田中氏らの具体的な「関与」が明確に記されている。報告書では、テレビ、パソコンなど各事業の部門長が具体的な不正の指示を出したとする一方、田中氏と前任社長の佐々木則夫氏が、「チャレンジ」と呼ばれる高すぎる目標を示し、厳しい言動で達成を迫る様子が明らかになった。

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