ダウ一時1600ドル安:識者はこうみる(ロイター)
ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨バスケットに対し上昇。米債市場ではオーバーナイトの取引で約4年ぶりの高水準を付けていた10年債利回りが低下、米株市場ではダウ平均が一時1500ドルを超える大幅な下げを記録した。
市場関係者の見方は以下の通り。<チャールズ・シュワブ(ボストン)のチーフ・グローバル投資ストラテジスト、ジェフリー・クライントップ氏>ファンダメンタル要因は見当たらない。マクロイベントに突き動かされたものでもなく、コンピューターによる取引が注文の不均衡につながったように思える。こうしたことは急激に発生することがあり、急速に修正される傾向にある。経済成長見通しに影響がない限り、株式市場は反発するだろう。
<クレセット・ウェルス・アドバイザーズ(シカゴ)の最高投資責任者(CIO)、ジャック・アブリン氏>先週あたりまでは相場の強気度が歴史的な水準にあり、投資家がかなり楽観的だった状況から地合いの反転が起きたといえる。
米連邦準備理事会(FRB)の議長交代と重なったことも影響した可能性がある。イエレン前議長は就任前からどのような人物かよく知られていたのに対し、パウエル新議長について投資家はさほど予備知識を持っていない。
<ブライト・トレーディングのトレーダー、デニス・ディック氏>市場参加者は市場のどのような状況にも備えるべきだが、多くがこの3━4年に目にしたことのない状況となった。市場心理はきょう完全に転換した。安値拾いをしていた投資家は売りを膨らませることになる。市場心理の回復には時間がかかるだろう。
<R・W・プレスプリッチの米国債・機関債取引責任者、ラリー・ミルスタイン氏>きょうの安値からはかなり値を戻した。現時点ではここからどの方向へ向かうかは分からないi
いくつかのテクニカル上の重要な水準をつけたことで売りが売りを呼んだ。おそらくアルゴリズム取引により株式が売られ、債券が買われた。
<RCMオルタナティブズ(シカゴ)のグローバル先物・オプション部門責任者、グレッグ・アダムシック氏>株式相場は国債利回りの上昇に反応してこなかったが、利回りは株価がぜい弱にみえる水準まで上昇した。S&P総合500種2700割れで売り注文が触発された。指数が急落すると、売りが触発される。

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