2009/8/31
百人一首應答歌三十八 日記と歌論
契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり
藤原基俊
たのめなきさせもが草の露の玉貫きもあへずよ心の闇は
ながれのおも
子の栄達を氏の長者に頼んだところ脈ありげな返答であつた
「なほたのめしめじが原のさせも草われ世の中にあらむかぎりは」
筈が結局人選に漏れてしまつた恨みの作。自己のことではなく子を思ひやる上の作故応答「心の闇」とつけました。
わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波
法性寺入道前関白太政大臣
波の穂のけだかく天にひひれりとこぎたむこころ雀躍りにけり
ながれのおも

2009/8/31
百人一首應答歌三十八 日記と歌論
契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり
藤原基俊
たのめなきさせもが草の露の玉貫きもあへずよ心の闇は
ながれのおも
子の栄達を氏の長者に頼んだところ脈ありげな返答であつた
「なほたのめしめじが原のさせも草われ世の中にあらむかぎりは」
筈が結局人選に漏れてしまつた恨みの作。自己のことではなく子を思ひやる上の作故応答「心の闇」とつけました。
= =
わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波
法性寺入道前関白太政大臣
波の穂のけだかく天にひひれりとこぎたむこころ雀躍りにけり
ながれのおも

2009/8/30
偶成 日常 時事
ふと思へば時に鐙し拍車かくる器見ぬまま平成ふためぐり
殺人の多くは酒のからめりと傳ふ露西亜は冬すぐ隣りに
投票へ今行つて來たとおほらかに迎へむとする時代の區切り
酒止めて日數經し身を鼓舞せむと競り落としたるバナナの叩き賣り
颱風のさきぶれしるき雨脚を聞きつつこもる宵は淺きに
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殺人の多くは酒のからめりと傳ふ露西亜は冬すぐ隣りに
投票へ今行つて來たとおほらかに迎へむとする時代の區切り
酒止めて日數經し身を鼓舞せむと競り落としたるバナナの叩き賣り
颱風のさきぶれしるき雨脚を聞きつつこもる宵は淺きに

2009/8/30
百人一首應答歌三十七 日記と歌論
高砂の尾の上の桜咲きにけり 外山のかすみ立たずもあらなむ
前権中納言匡房
おのづから花のにほひにさそはれし外山の霞とがめであらなむ
ながれのおも
西行の{あたら桜のとがにはありける」など想起して。
憂かりける人を初瀬の山おろしよ 激しかれとは祈らぬものを
源俊頼朝臣
初瀬山はげしくつらく願ひてしひとのうらみもおろしけむもの
初瀬山を「はげし」の序詞と解して。恋の神への祈願にはさぞはげしくのろふ類もあつたやらんと。

2009/8/29
予測 日常 時事
米ややに不作の予測あらはれて蝉の鳴く音も静まりゐたる
鈴懸の早枯れの葉のおもひ入れあるがごとくにうつらうつら落つ
感染の恐怖をまのあたりにせねばひとつになれぬ世界かとおもふ
自意識の過剰とせむかぬつと出てわれをうかがふ樹間の飛行船
期日前投票の首尾尋ね來る彼を安堵の一こゑたやすく
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鈴懸の早枯れの葉のおもひ入れあるがごとくにうつらうつら落つ
感染の恐怖をまのあたりにせねばひとつになれぬ世界かとおもふ
自意識の過剰とせむかぬつと出てわれをうかがふ樹間の飛行船
期日前投票の首尾尋ね來る彼を安堵の一こゑたやすく

2009/8/29
百人一首應答歌三十六 日記と歌論
夕されば門田の稲葉訪れて 蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く
大納言経信
こもり居のつれづれを訪ふ稲の葉も稔りて刈られ過ぎむ日近く
ながれのおも
ここは隠者の庵と解釈して。
音に聞く高師の浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
あだ波と名にこそたてれ時つ波思ひ高師の濱についえて
ながれのおも
本歌はいひよる男をこばむかに見えてふくみをもたせてゐます。返歌もしわしわひきさがるかに見せて後日談ありげに。
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私のおすすめ:
オンライン書店「ビーケーワン」
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大納言経信
こもり居のつれづれを訪ふ稲の葉も稔りて刈られ過ぎむ日近く
ながれのおも
ここは隠者の庵と解釈して。
音に聞く高師の浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
あだ波と名にこそたてれ時つ波思ひ高師の濱についえて
ながれのおも
本歌はいひよる男をこばむかに見えてふくみをもたせてゐます。返歌もしわしわひきさがるかに見せて後日談ありげに。
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2009/8/28
遺命 讀史つれづれ
わが首級かまへて敵に奪らすなと遺命ぞ重きさまをかへても
射落とせし騎馬武者にたかる雜兵を憎み射掛けぬ矢継ぎ早にも
接吻を迫り押し寄す槍先に王妃が女友達の首
裏切りの掘り返されて梟首へと到る墓邊の土のかぎろひ
遠花火見やりて寝物語にも洩らす密事よ乳揉みながら
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射落とせし騎馬武者にたかる雜兵を憎み射掛けぬ矢継ぎ早にも
接吻を迫り押し寄す槍先に王妃が女友達の首
裏切りの掘り返されて梟首へと到る墓邊の土のかぎろひ
遠花火見やりて寝物語にも洩らす密事よ乳揉みながら

2009/8/28
百人一首應答歌三十五 日記と歌論
嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり
能因法師
=三室山おろせる風のまにまにも紅葉の錦ちりぼひにけり =
ながれのおも
仏道修行の得化下界に及びましたやら。
寂しさに宿を立ち出でてながむれば いづくも同じ秋の夕暮れ
良暹法師
なつかしみ去年の宿訪ふ道すがらせくものもなき春の夕暮れ
ながれのおも
還俗したわけではないでせう。むしろ賢き当りに差し迫る加持祈祷のことなどあり、その帰途。
さびしさにながめた秋夕からはすでに年を経てゐる見立てです。

2009/8/26
百人一首應答歌短歌 日記と歌論
春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそをしけれ
周防内侍
流す名をいまさら惜しとおもはねど梅雨しぬのめのくちなしの花
ながれのおも
あきらめに近いでせうか。春の夜その後の消息です。
心にもあらで憂き夜に長らへば 恋しかるべき夜半の月かな
三条院
今ごろをおもひ残さんとはせぬにあたじけなくも明けの月影
ながれのおも
心にもあらぬ未練の形と捉へて。

2009/8/26
折にふれて 日常 時事
お気に入りの歌をコピペのその歌も自作す自他一元の「流れ」は
選擧カー空蝉の殻轢ける宵蟲の音あたりさはりなげにも
感染は至るところに顏出していみじく騰貴せる野菜の値
「北」なほもて軌道逸らせり半島の南に打ち上げし衛星は
向かひ家の隣り合ふ窓のテラス飛び越す猫は尾もたてずして
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選擧カー空蝉の殻轢ける宵蟲の音あたりさはりなげにも
感染は至るところに顏出していみじく騰貴せる野菜の値
「北」なほもて軌道逸らせり半島の南に打ち上げし衛星は
向かひ家の隣り合ふ窓のテラス飛び越す猫は尾もたてずして
