2009/8/18

政事家 金大中  日常 時事

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画像引用asahi.com

金大中訃報到る日はほどなく暮れいたいたしくも苦き酒飲む

歌集番外ですが、ソウルからの急報といふことで。
1973年の拉致事件から生還帰国後自宅で記者会見に応ずる氏の姿に隠れて見えぬは問題の北の首脳氏です。
私はかつて彼の拉致事件をいろは歌で読んだことがありますのでついでに紹介。

拉致された政事家は
祖国の炉窓に舫ひうるむ
議員てなづけ
拗ね合ふ身ゆゑに
覚えぬ弱り目を

らちされたせいしかはそこくのろまとへもやひうるむ
きゐんてなつけすねあふみゆゑにおほえぬよわりめを

政事家であつて政治家ではなかつたといふが私の評です。ポピュリストであつて厳密な意味でのポリティシャンではなかつた。

ポピュリズムの政治といふものの最悪の実例を後世にのこしたかと。

北朝鮮への無償の援助一方的な「友好確立」の媚態が、今近隣諸国にいかなる迷惑を及ぼす事態になつてゐるかを見れば明らかでせう。

内なる独裁に抵抗する闘士民主化の旗手が、外の独裁には甘く対処するどころか国民の税金を使つて擦り寄り結果得た「ノーベル平和賞」の代価は、その資金を使つての彼等の核開発の資金になり了つた。

 最後まで北を擁護の主張を変へず世界中説き回つてをられたやうなれど、北への愛と信頼に根ざしてか、それとも「ノーベル平和賞」受賞者といふ己の名誉を護らんとしてのことか知れたものではない。

よつて悼むべき酒も愚痴になる。
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2009/8/18

百人一首應答歌二十九  日記と歌論

めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に 雲隠れにし夜半の月影
紫式部

たもとほる經ぬる夜の間をなつかしみめぐり逢へるは月かあらぬか
ながれのおも

気に係りもの思はせる恋人を突きに託して詠んでゐるわけですから「月かあらぬか」とつけてみました。

有馬山猪名の篠原風吹けば いでそよ人を忘れやはする大弐三位

笹の葉をさやに吹き越す風のごとそよとのたより有馬山へと有馬山を「有り」の掛詞にして。


 大弐三位は紫式部の娘であるのみならず、源氏物語宇治十帖は或いは彼女の作かと説をたてられてをります。
 私も何度か通読してみて文体やや齟齬といふか異質なずれあるを覚えました。与謝野晶子などは五六人の作者の手が加はつてゐる可能性があると見てゐたやうです。
 とは申しても源氏物語を世界に紹介したアーサーウェイリーの評に曰く「かつて書かれた文学作品の中でも三本の指に入る出来栄え」といふ価値のほどはいささかも変りありませんが。

母娘して百人一首に選ばれた例は他に和泉式部と小式部内侍があります。
父子となると各年代に跨り十余例に上ります。

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2009/8/18

頸飾り  讀史つれづれ

頸飾り事件にめげず宮殿のなかの藁家に小鳥群れゐき

押默り怒氣をふくみて迎へとる王の歸還は後數刻か

ギロチンの刃をかいくぐり登りつめし統領府より王へ返書す

兵卒にやつして凍れる河越えぬ遠くうかがふ都の旗色

威儀正し柩を迎へとる王はかつて処刑をうべなひし裔
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