2009/9/11

池の端  日常 時事

蓮の葉のひしめく中洲を荻の穗は伸びつつやがて吹く風思はむ

日のかげをおほひわたれる薄雲も日暮れとなれば夕燒けにけり

いささかの更新をして送りやる樂堂裏の小瀧を前に

日は今し落ちしばかりに袖を引く女を見るか池の端には

無造作に路べたの籠に盛られゐる猪の爪今宵は購入はず
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2009/9/11

百人一首應答歌四十三  日記と歌論

夜もすがらもの思ふころは明けやらぬ ねやのひまさへつれなかりけり
俊恵法師



蚊帳去りて夜長となれば物思ふ身にいやひろき閨のひまかな
ながれのおも

空閨を嘆く女の身の上を思ひやり詠んだ法師の歌です。多年かかる境遇とみて、蚊帳のある夏の間は身じろぐごとに蚊帳の揺れが時に無聊をなぐさめたらうが、蚊帳の要らなくなつた秋となつてはさぞかしと余計なお世話ですが。



嘆けとて月やはものを思はする かこちがほなるわが涙かな
西行法師


己が身を愛しみもかねし涙落ちて月を嘆きの友とするかな
嘆きとは他と分かち合ふ嘆きであり外向きのものですが、かこつとは嘆くわが身への憐憫といつた趣が涙としてあらはれるおのづと内向きのもの。西行はその辺を十分わきまへて類義語を上下句に措辞した筈です。



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