2009/9/16

百人一首應答歌四十七  日記と歌論

世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海人の小舟の綱手かなしも
鎌倉右大臣


綱手引くわれに鷗の寄るこゑもまばらとなりぬすなどりなき日は
ながれのおも

綱手かなしと歌はれた海女漁師の立場から一首。漁獲の常なければ鷗らもおのづと現金なもの。


み吉野の山の秋風さよ更けて ふるさと寒く衣打つなり
参議雅経


ふるさとも砧打つこゑ絶えてなき世なれど今に聞こえくる音
ながれのおも


「滝の音は絶えて久しくなりぬれど」の類か、今は洗濯機の時代ですから。漢詩ならば「萬戸擣衣聲」のあはれは李白以来多く詠まれてゐますが、その翻案としては標準的なものでせう。
「秋とだに忘れんとおもふ月影をさもあやにくに打つ衣かな 定家」の歌の方がより好きですが、舞台装置に懲り過ぎるきらひがある。詞華集向けといへばこちらでせう。
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2009/9/16

彼岸花  戀さまざま

彼岸花咲ける木下を赤蜻蛉群がり寄れば君ししのばゆ

契りをば背くなかりき若くして我に先立ちたるを除きては

子ら既に人としなれば萩叢の奥の墓苑に孫のこゑやさし

亡骸もかへらぬ父の不在をばあやしめる子の紙はや白き

日と夜とややにひとしくなりゆかむ曼珠沙華の果ての夕棚雲よ
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2009/9/16

彼岸花  戀さまざま

彼岸花咲ける木下を赤蜻蛉群がり寄れば君ししのばゆ

契りをば背くなかりき若くして我に先立ちたるを除きては

子ら既に人としなれば萩叢の奥の墓苑に孫のこゑやさし

亡骸もかへらぬ父の不在をばあやしめる子の髪はや白き

日と夜とややにひとしくなりゆかむ曼珠沙華の果ての夕棚雲よ
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