2009/10/30

老孃の戀  戀さまざま


空は今日雲の刷毛跡涼やけく晝餉の包みもちて君待つ
流れ來る煙草の煙りは老孃の後れ毛よぎり押し默る噴水
誑れて名を路地に呼びしか今作るともには開くことなき辨當
後ろより眼隱し遊び伴れ歸る姪御のお下げ髪の花簪
彼はただ十年續きの不都合で來られないのよと姪御に説き聞かす
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2009/10/29

ともに大家といはるる百年祭  画像歌

処女作は彼の情死と同じ歳ともに大家といはるる百年祭

 今年もさまざまな紀年行事あるわけですが、生誕没後さまざまに祝はれる文化人政治家等かあるなかでこの両人が同年生まれといふは意外でした。
ともに愛読した時期も疎んじた時期もありますが、精神史社会史にさまざま及ぼすところあつた人らではあります。他に大岡昇平も同年の生まれで、「野火」などはまた鮮烈な戦争文学として永く伝へられてゆくでせうが。

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2009/10/29

時事所感  日常 時事

娘殺せし男を母國の法廷へ誘拐罪の返り血浴びても

船底をたたき返す音轉覆後四日の船室の空氣溜りより

お言葉をとやかういふを詰られて外務大臣の眼の下に隈

処女作は彼の情死と同じ歳いづれも大家といはるる百年祭
      太宰治 松本清張

公園の木下の薄暮鳩の子の群れついばむをおびやかすなき
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2009/10/28

四つの事始  日記と歌論

クリミア戦争は十九世紀半ば、衰勢隠し得ぬオスマントルコの支配下に勃興する民族主義宗教復権の動きにつれてオスマン領内の正教徒を保護するとの大儀で侵入したロシアに対抗しオスマンに利権を有する、てイギリスフランス更にサルテーニア等が派兵してドナウ流域からカムチャッカまでを戦場とした、近代戦では稀にみる大規模な戦争であるが物の本によればこの戦争には四つの事始めがあつた。
一はロンドンのタイムズが始めて特派員を派遣したことである。
二は名高いかのナイチンゲールが看護婦隊を派遣して敵味方問はぬ看護活動を行つたことである。
ともに報道史上医療史上に画期的なことであるが、、加へて
三に考案者の名により、カーディガンと今日通称されるジャケットが考され普及したことでる、兵士の着脱の利便を考へてvネックセーターを前空きにしてボタン止めにした形である。
四は紙巻煙草の工夫、それ以前の煙草は葉巻かパイプにつめる手間が必要であつたが、紙巻の考案で五本十本とまとめて携帯し歩き戦場駈けずりながらの咥え煙草も可能になつた。
必要は発明の母ともいふべきですか。
その邊を一首の歌にまとめればどうなるかと思ひ先ごろ一首にすること上のごとし。
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2009/10/27

年期  日常 時事

變革の語の垢づきて聞こえ來る部屋は秋冷の隈なく及ぶ

壁壞えて二十年後の今も耳に交代兵らが彈倉替ふる音

仕込み銃もて元勲を擊ちたるを義擧とし祝ふ半島の百年祭

一巻の流れ巻上げておかなむか即位二十年祭あたりをしほに

どくだみのふすぶる夏にかへて今朝蓼の穗露を掌に受く
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2009/10/26

落雷  讀史つれづれ

落雷は七重塔を燒盡し文明二年暮れてもゆくか

關が原終りて後に辿り着く御曹司をば咎む由なく

荷造りも追ひつかぬまま還り行くアヴィニョンより捕囚は解けて

壱岐・對馬略取を告ぐる早馬に湯漬けあてがひ蒙古の陣に對す

主席での口論の果てをよそほへる銃聲 長き独裁終はる
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2009/10/24

深秋の戀  戀さまざま


秋深むまにまに感染に死ぬ類の幼兒を加へ來るに怯えつ

胸に固く抱き寄せ拒む子のなきに事寄せ引き取らんといふ彼の妻

渡り歩く職場の上司と必ず寝る女といはれきせめてもの意地

後れ毛に白きがまじれるを送りドアを閉ざしてほどなく子は寝入る

乳母車引きつつ辧護士の許へもう氣にかけてゐる三輪車
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2009/10/23

晩秋雜詠  日常 時事

今更に思ふも甲斐な秋天に歸つて逝つた醉拂ひなど

亡きかげを辿りて行けば母つくる蕗を煮〆し油揚げの香

訪日を期に迫り來る代案よさて廣島への訪問を如何

鮮魚商たたみてよりは店の影ひとつ見ぬ田の間でおもはぬ用談

暮れ入りて田の切り株に鳴く蟲もほとほと弱る歸り路にあり
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2009/10/21

南窓  戀さまざま

日の道のいや低くなれる南窓を薄く帳りし君迎へ入る

心にもあらぬとはせじ薔薇活くる爪色褒めぬ珈琲碗置きつつ

我は子を君は娘を喪へる事故被害者どちのあらぬなれそめか

遺影をば常にひそませゐる君と思へば憎からず肩にかくる手

婚運の子の運もなき二人が今脣合はせ聞く夕がらす
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2009/10/20

時事所感  日常 時事

わが頰をかすめてつがひの蜻蛉のかげ民營化とはそも何なりしか

無料化に困惑してゐる高速バス業者にも似し思ひするかな

別姓といふ天窓も必要か子の鎹の利かぬ夫婦に

外國人參政權は危ふくせむ國の定義の蔕から實まで

雲おほふこと癖づきて晴天の一日續くは稀なる秋か
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