2010/1/28

治癒 六韻  日記と歌論

涙後よろこびといふ讃め歌に      シテ
明日は見えねどくさらず勵め      ワキ
聲援を受けつ荷ふ穗重りゐて      ツレ
畏れ知らぬか秣むしれる        シテ
若き日を汗で越え經ぬるつむりゆゑ   ワキ
四方の違和山燒き揃へ寝ん       ツレ


なみたのちよろこひといふほめうたにあすはみえねとくさらすはけめ
せいゑんをうけつになふほおもりゐておそれしらぬかまくさむしれる
わかきひをあせてこえへぬるつむりゆゑよものゐわやまやきそろへねん
ちゆ


「涙と共に播く者は喜びと共にとりいれん Die mit Tränen säen,werden mit Freuden ernten.」と聖書詩篇の句あり。これを改めて今般.ルター訳聖書に依るブラームスのドイツレクイエムで聞いた感銘をややへなぶつて六韻にしました。キリスト磔刑の図の周囲に生まれ育つたフランドルの風俗に根ざした有象無象生類万物を書き込まずにおかなかつたブリューゲルの筆法でせうか。日本はいま少しすると山焼きが始まりますね。
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2010/1/28

上野寸景  日常 時事

椋鳥のわれを窺ひゐたりしかパン切れ掠め去る池之端

二つ買つたドーナツを食べてゐる正面の柵の上に小雀と一緒に並んでゐるなあと漫然ながめてゐたところが油断も隙もないか。食べ終へかけた残片へ猛然と襲ひ掛り可愛らしい一片をまんまと、これは気がつかぬことでしたと寄つて来る小雀と椋鳥と均等になるやうにちぎつて分けてやりました。

しもた家を通りすがりの潜り戸開け呼ばふ老女よゴミ出してよと

上野駅沿ひに寛永寺の霊園へと続く崖上の道を辿つてゐた所、元は商家らしき作りの多年雨ざらしになつた二軒続きの二階家の前を通つた時にこんなことがありました。お婆さんはパジャマの上に毛糸編みの袖なしチョッキを羽織つただけ、足も弱り道向うの集積所へ行くも億劫だつたのでせう。他生の縁の中と思ひ承つておきました。

歌集本編は完結しましたので、今後は五首一連に拘らず詞書や自註をなるべく添へることにします。
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