2010/6/3

「命のビザ」の子孫はゐしや  日記と歌論


支援船を襲へる特殊兵らの群れに「命のビザ」の子孫はゐしや

 イスラエル当局より封鎖兵糧攻めに合つてゐるガザの窮状を救援に駆けつけた支援船をイスラエル軍は特殊兵を降下させて拿捕に及ばんとして死傷少なからず。しかも乗員の大部分はイスラム圏で唯一良好な関係を保つトルコの民間慈善団体であつたといふのでは目もあてられぬ大失態といふ他ないか。イスラエルの非道を国際間に印象づけんとするハマスの挑発の罠にまんまとはまつたと評あり。いかに厳重閉鎖しても地下トンネルは既にエジプトまで通じて武器弾薬食糧も入つて來るのである。

 つれて思ひ出したは杉原千畝氏のことだ。
 氏が後々外交官の職を追はれる羽目になつてまで、訓令を無視してポーランドを追はれたユダヤ難民達へ食事の間も惜しんでビザを大量発給した博愛精神に根ざす勇気と善意までふみにじられたやうで寒心に堪へぬ。
 その時難民代表として杉原氏に面会した五人の中三人まではパレスチナへ赴きイスラエル建国後に一人は宗教大臣に上り詰め、二人は外交官となり大使館の参事官となつて日本に到り中の一人が、大使館で杉原氏と劇的な再会を果たして以後その義挙はやうやく世に知られて今日あるのだが、他にも多くの無名の杉原サヴァイヴァーはゐる筈でもしや中に
その子孫が特殊兵の中にゐたりしてはその時命を救はれた彼らの祖父母の霊も泉下の杉原氏も到底やすらへまいかとおもふわけである。

 一国は他国との共存なくして自存できぬ。その原点にたちかへつて考ふべきとおもふももはや引き戻り不可能な地点を過ぎてゐるであらうか。さすがに怒りをかくさなかつた米国も今日の大統領談話はユダヤロビーの圧力もあつてか幾分非難の調子を弱めてゐる。

 それにしても罪深いバルフォアの二枚舌。

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