1960年代後半から1970年代は、スポ根作品の宝庫でした。あらゆる競技が作品となる、考えてみれば今よりずっとスポーツが身近にあった時代だったのかも知れません。「巨人の星」「アタックNO.1」「エースをねらえ」などのメジャー競技のみならず、レスリング・柔道・体操などから棒高跳びやハンマー投げも題材に入れられていました。
当時の競技者がすべからく出場を狙っていたオリンピックがミュンヘン大会です(もちろん、テニスは当時オリンピック種目ではありませんでした。だから岡ひろみはウィンブルドンを目指したのです)。ミュンヘン五輪は、スポ根作品の終着駅だったのです。
そんな中に、この作品もありました。1970年代のスポ根実写ドラマのおいしい魅力がすべて網羅されていたと絶賛の声も聞こえる「金メダルへのターン!」です。
全く泳げない少女が溺れたところを助けられて、紆余曲折あって泳げるようになったと思ったら、オリンピックで金メダルを目指すという、スポ根究極のサクセスストーリーでした。
主人公は、速水鮎子。他の選手に泳力で劣る部分をターンで補うという発想もスゴイですが、その必殺のターンこそ有名?な『トビウオターン』なのです。ライバルたちもそれぞれ必殺技を持っていて、『無呼吸泳法』や『ハイピッチ泳法』『ロケットターン』など多種多彩。ちなみにミュンヘン五輪の水泳金メダルといえば、男子100m平泳ぎの田口信教と女子100mバタフライの青木まゆみの2個です。低迷を続けていた日本水泳陣が復活のきっかけをつかんだか?といえる大会でもありました。でも、女子の自由形短距離でメダルを狙うというのは、日本人が陸上の100mで金メダルを狙うほどの暴挙といえた時代です。
そんな時代にこれだけの人材が揃っていたのですから、それだけで現実離れしていたのですが、それ以上に現実離れしていたのが、『トビウオターン』です。何しろターンの際にプールの壁を蹴って空を飛ぶんですからね。20mいや30mは飛んでましたかね?。もし、それだけの跳躍力があるのなら、走り幅跳びか走り高跳びに転向すれば金メダルは間違いないんですが、あえて水泳というところがスポ根作品のお約束でしたね。ターンでそれだけ跳べるのに、スタートで何で跳ばないの?という突っ込みはなしですよ

。野暮な突っ込みはスポ根では禁物です。
いやあ、懐かしいですね。って言っても、分からない方も多いでしょうね?。ご容赦下さい。
時々、懐かしのスポ根作品を思い出したら書き込むつもりです。

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