今日の美作は雨模様

。岡山湯郷Belleの今季ホーム最終戦は当面の敵、現在5位のアルビレックス新潟レディースが相手となりました。

アルビレディースは、勿論ご存知の通りJ1「アルビレックス新潟」の女子チームです。現在、なでしこリーグには
「浦和レッドダイヤモンズレディース」 「ジェフユナイテッド市原・千葉レディース」 「アルビレックス新潟レディース」のレディースチームが3つあります。また、東京ヴェルディの女子チームである
「日テレ・ベレーザ」もあります。そして、同一チームではありませんが、アビスパ福岡と行動を共にする
「福岡J・アンクラス」はアビスパのホームゲームでボールパーソンを務めたりして協力体制を築いています。さらに、J参入を目指しているAC長野パルセイロが、大原学園JaSRA女子サッカークラブを吸収して
「AC長野パルセイロ・レディース」を誕生させました。
このように、経営基盤が脆弱な女子サッカーチームですが、Jチームの女子チームとして安定的な活動を意図するチームは少なくないのです。また
「東京電力女子サッカー部マリーゼ」のような完全な企業チームもあります。

その中で、今年10周年を迎えた
「岡山湯郷Belle」は、親会社を持たず、男子チームの傘下にも入らない(当時はファジアーノ岡山は影も形もない時期でしたから、傘下に入ることはどだい無理な相談でした)市民チームとして地元企業と自治体、市民の援助による地域活性化の起爆剤として生まれたのです。
話が脱線ついでに、「スポーツで岡山を元気に」することの重要性について、私なりの考えを述べます。これは、あくまでも私見ですから、気にせずに読んで下さい。「ファジアーノ岡山の専用練習場を整備する署名活動」に関しては、その活動そのものを苦々しく思っている人は岡山市内にも岡山県内にも少なくないことは、皆さんご存知の通りです。その大方の意見は「1サッカークラブに税金の投入を許すのか?」「ファジアーノに公金を使うならもっと優先すべき課題があるだろう」「市民の大多数はファジアーノの存在を認めていない」というものです。確かに岡山県民が150万人とすれば、現在の署名数は1割に過ぎません。その中には県外の方も数多くいますから、1割以下といえます。署名の中にも消極的賛成や付き合いで署名した人も少なくないでしょうね?。そういう意見があることは否定しませんし、あって当然だと思います。十人十色、考え方も千差万別です。署名が集まったからと言って、それじゃあと専用練習場が実現するものでもありません。当然です。
以前、岡山県がアスリート養成基金への出資を大幅削減したこと、岡山シーガルズへの支援を撤廃したこと、などへの苦言を呈したことがありました。これも今回の署名活動とリンクするのですが、やはり一部の競技団体や1クラブチームへの公金支出に対する抵抗の激化に配慮したものだったのでしょうね?。主な部分は財政状況の悪化ですが。
でも、考えてみて下さい。関東の人たちにとって、岡山の存在がどのようなものであるかを。広島はカープやサンフレッチェのお陰で認知度は高いです。しかし、他の中国地方4県は、ほとんど誰も知りません。場所すらわからないのです。俳優の山口馬木也(本名・槙矢秀紀)は、岡山県(総社市)出身ですが、彼の芸名を決めた事務所の社長によると「おまえ、岡山の出身か?。なら、芸名の苗字は山口だ。岡山の隣は山口だろう?」という誤った社長の認識から生まれた芸名だったそうです。その程度なんですね。
ファジアーノがJ2に昇格して、「岡山」を背負って戦うことで、アウェー会場の地元の人にとっては、「岡山」を認識する機会が生まれます。岡山湯郷Belleの試合を観戦するだけで「岡山」や「湯郷」を目にし耳にするのです。岡山シーガルズが全国を転戦することで、岡山をちょっとだけでも知ろうとする人が現れるかも知れません。スポーツは地元をアピールするには最も有効なものだと言えます。岡山を「九州?」とか「四国?」と思っている人たちに岡山を認識してもらうことは、岡山にとって非常に大切なことです。地域の活性化とは、まず知ってもらわないと次に進みません。チームの存在意義は大きいのです。
対戦相手のアルビレックス新潟レディースが所属する総合スポーツクラブ「新潟アルビレックス」には、サッカーの他に、プロバスケット、スキー・スノーボード、チアリーダー、ランニングクラブ、野球など多くのチームが存在します。全てが「アルビレックス」を名乗っています。スポーツが地域と良好で密接な関係を保っているお手本と言っていいのが新潟なのです。
「Albirex」の名前は、白鳥座の二重星「Albireo」とラテン語の王者を表す「Rex」を組み合わせた造語です。ビッグスワンをメインスタジアムとするチームにとって「白鳥」はキーワードなんでしょうね?。
そんなことに思いを巡らせながら、美作に到着しました。

雨の中、両チームの選手がウォーミングアップを始めました。新潟からはいつも熱心なサポーターの皆様が集結します。トップチームとレディースチームを同じように応援している人が非常に多いのも、チームが地元に浸透している証明ですね。
いずれは、岡山もそういった理想の姿に近づいて行けれたらいいなと感じながら、試合開始を待ちました。ほどなくfajino12さんも登場しました。さあ、一緒に応援しましょう。
試合の模様は、「その2」に続きます。

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