Jリーグは昨日、2018年シーズンのJ1・J2クラブライセンス交付に関する審査結果を発表しました。
ライセンス申請を行っていたのは、J1・J2の40クラブとJ3の7クラブ。昨年はJ2ライセンス不交付だった鹿児島ユナイテッドFC
(スタジアムが基準を満たさない)と今年初申請したFC琉球にもライセンスが交付されました。
今季J2に所属する22クラブの内、水戸ホーリーホック・FC町田ゼルビア・カマタマーレ讃岐の3クラブにはJ1ライセンスが交付されておらず、リーグ戦で昇格条件を満たした場合にも来季のJ1昇格はできません。PikaraスタジアムがJ1基準を満たしているカマタマーレはJ1ライセンスが交付されるものと思っていましたが、2015年よりA等級
(一つでも充足しないとライセンス不交付)になっている「施設基準
(トレーニング施設)に関し、専用もしくは優先的に利用できるクラブハウスを有している」という項目が未充足の為にJ1ライセンスが交付されませんでした。
但し、制裁対象となるB等級未充足のクラブはファジアーノ岡山を含めて多く(21箇所)残っており、スタジアムのトイレと屋根問題は各クラブに今後も重くのしかかると考えられます。
@トイレ・屋根のいずれも不足
*ツエーゲン金沢
石川県西部緑地公園陸上競技場
*清水エスパルス
IAIスタジアム日本平
*ファジアーノ岡山
シティライトスタジアム
*サンフレッチェ広島
エディオンスタジアム広島
*カマタマーレ讃岐
Pikaraスタジアム
A屋根のカバー率のみ不足
*モンテディオ山形
NDソフトスタジアム山形
*栃木SC
栃木グリーンスタジアム
*ザスパクサツ群馬
正田醤油スタジアム群馬
*大宮アルディージャ
NACK5スタジアム大宮
*柏レイソル
日立柏サッカー場
*FC町田ゼルビア
町田市陸上競技場
*横浜FC
ニッパツ三ツ沢球技場
*湘南ベルマーレ
Shonan BMW スタジアム
*ヴァンフォーレ甲府
山梨中銀スタジアム
*松本山雅FC
松本平広域公園総合球技場
*カターレ富山
富山市総合運動公園陸上競技場
*ジュビロ磐田
ヤマハスタジアム
*名古屋グランパス
パロマ瑞穂スタジアム
*ガイナーレ鳥取
とりぎんバードスタジアム
*愛媛FC
ニンジニアスタジアム
*鹿児島ユナイテッドFC
鹿児島県立鴨池陸上競技場
尚、審査基準に上げられるもので主なものは以下の通りです。
競技基準
*アカデミーチーム(U-18/U-15/ U-12/ U-10)を保有(クラブ直営または関連法人が運営)していること
(A等級)
*女子チームを保有していること
(C等級)
施設基準
*スタジアムの入場可能人員がリーグの規定(
J1は15,000人、J2は10,000人)を上回っていること
(A等級)
*スタジアムの観客数1,000名あたり、洋式トイレ5台以上、男性用小便器8台以上を備えていること
(B等級)
トイレの数については、本来の規定数を充足していなくても、「収容人員数の60%」を実態の観客動員数と見なし、これを母数とした場合に基準を満たしていれば制裁の対象外とする、通称「トイレ60%ルール」が2013シーズン申請分(2014シーズンより適用)以降に運用されている。
*スタジアムに観客席の1/3以上
(B等級)または観客席すべて
(C等級)を覆う屋根を備えること。
*クラブが年間を通じて使用できる天然芝もしくは人工芝のピッチ1面・屋内トレーニング施設・クラブハウス・メディカルルームがあること
(A等級)
2015年度からJ1所属クラブの場合、専用もしくは優先的に使用できる天然芝のピッチ1面と、隣接するクラブハウスがあること(A等級)
人事体制・組織運営基準
*指定された資格を持つ財務担当・運営担当・セキュリティ担当・広報担当・マーケティング担当を置くこと
(A等級)
法務基準
*同じ競技会に出場している他クラブの経営等への関与を行わないこと
(A等級)
*顧問弁護士を置くこと
(C等級)
財務基準
*年次財務諸表(監査済み)を提出し、Jリーグの審査を受けること
(A等級)
その際、3期連続の当期純損失(赤字)を計上していないこと、および債務超過でないことが必須条件となる。
*移籍金や給与の未払いが生じていないこと
(A等級)
上記の内、C等級は将来的にA等級になる可能性があるので、それを見越した対応が必要になって来ます。女子チームの保有や観客席の全てを覆う屋根の設置などは、相当高いハードルでもあるので今から手を打っておく必要がありそうです。
Cスタが常に指摘される「屋根のカバー率不足」と「トイレ数の不足」は結構重い問題で、周辺環境の為に改装が思うようにできない現状を踏まえると専スタ建設へ向けた具体的な動きを出さなければならない時期に来ていると思います。Cスタに匹敵する好アクセスの立地を考えるとかなりの無理があり、さりとてアクセスがあまりにも悪い場所にスタジアムを建設することのクラブ以外へのメリットがない場合には世論がそれを圧殺してしまうことが容易に予想できるので、困難を極める問題になるかも知れません。
出典:http://www.fagiano-okayama.com/
尚、2018年シーズンのライセンス交付結果は以下の通りです。
【J1ライセンス】
北海道コンサドーレ札幌
ベガルタ仙台
モンテディオ山形
鹿島アントラーズ
栃木SC
ザスパクサツ群馬
浦和レッズ
大宮アルディージャ
ジェフユナイテッド千葉
柏レイソル
FC東京
東京ヴェルディ
川崎フロンターレ
横浜F・マリノス
横浜FC
湘南ベルマーレ
ヴァンフォーレ甲府
松本山雅FC
アルビレックス新潟
カターレ富山
ツエーゲン金沢
清水エスパルス
ジュビロ磐田
名古屋グランパス
FC岐阜
京都サンガF.C.
ガンバ大阪
セレッソ大阪
ヴィッセル神戸
ファジアーノ岡山
サンフレッチェ広島
レノファ山口FC
徳島ヴォルティス
愛媛FC
アビスパ福岡
ギラヴァンツ北九州
サガン鳥栖
V・ファーレン長崎
ロアッソ熊本
大分トリニータ
【J2ライセンス】
水戸ホーリーホック
FC町田ゼルビア
AC長野パルセイロ
ガイナーレ鳥取
カマタマーレ讃岐
鹿児島ユナイテッドFC
FC琉球
J3の順位変動がJ2からの降格クラブにも影響するので、その動向に一喜一憂しているサポも多いのではないでしょうか? 特に北関東では栃木と群馬の入れ替えになるのは複雑な感情をうむこともあるでしょう。終盤戦はそんな見どころもありますよね。
まさに「非情のライセンス」(笑)
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