14日目は準々決勝、8強の激突は面白いゲームが続きました。極めつけは金足農の逆転サヨナラ2ランスクイズです。もう、漫画としか言えないような劇的すぎる幕切れは全国に金足農サポーターを増殖させています。
この日の始球式は、高松一OBの中西太さんでした。西鉄で首位打者2回、本塁打王5回、打点王3回などのタイトルを取る活躍でしたが、原点は甲子園で放った2試合連続のランニングホームランでした。
高松一高は高松市立の普通科校です。卒業生には、中西さんの他に野球では近藤昭仁さんなどがいます。“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹さんも高松一高出身です。甲子園は選抜大会1回、選手権大会3回の出場がありますが、選手権の2回は中西さんの在学中に出場したものです。
選抜はベスト8、選手権はベスト42回、ベスト8が1回で、出場した全ての大会で8強以上の成績を残しています。最後に出場した1972年夏から46年経っていますから、今では香川県内でも強豪という意識が薄れているかも知れませんが、県内では古豪の一つです。
14日目の準々決勝の4試合の結果です。
▽準々決勝
大阪桐蔭
011 016 011│11
000 020 000│ 2
浦和学院
(大)根尾・柿木−小泉
(浦)渡辺・永島・河北・渡辺−畑

大阪桐蔭が12安打、4本塁打の猛攻で圧勝しました。藤原が2本、根尾が1本です。浦和学院は根尾と柿木の継投の前に5安打2得点に抑えられました。“大谷二世”と呼ばれる渡辺も桐蔭打線を止められませんでした。
残った8チームの中でも銀河系軍団の状況は変わっていません。さて、倒すチームが現れるでしょうか?
済 美
100 010 001│3
010 000 001│2
報徳学園
(済)池内・山口直−芦谷
(報)渡辺友・木村−堀尾

第2試合から3試合が同じ「3-2」のスコアでした。が、内容は異なります。
済美は地方大会から投げ続けて来た山口ではなく、主将の池内がこの夏初登板。しっかりと役割を果たして山口に繋ぎました。報徳学園は好守の中心の小園が精彩を欠き敗れました。
下関国際
010 001 000│2
000 000 03X│3
日 大 三
(下)鶴田−品川
(日)中村・河村−佐藤英・斉藤

7回2死までノーヒットに抑えていた下関国際の鶴田でしたが、8回につかまって3失点。下関国際も県大会から鶴田が1人で投げ続けており、この試合も先発完投。やはり、エースで4番の奮闘に託す形のチームでは全国の頂点に立つのは難しそうです。
日大三は2番手で登板した川村が7回を1失点10奪三振の好投で流れを呼び込みました。
近 江
000 101 000 │2
000 010 002X│3
金足農
(近)佐合・林−有馬
(金)吉田−菊地亮

近年の高校野球ではスクイズ自体が減少しており、スクイズのシーンが劇的な印象を持つようになりました。それが2ランスクイズともなれば、最近の若いファンにとっては“漫画”の世界のように感じるかも知れません。サードが取った時には3塁走者が生還しており、2塁走者は3塁を回っていました。
近江の林は野手から3塁走者がスタートを切ったと声をかけられた瞬間にウエストできる技術を持っていたそうですが、大歓声で野手の声が聞こえなかった模様です。甲子園全体が金足農を後押しする異様なアウェー状態で平常心を書いていたとしても仕方ありません。
金足農の吉田は140球の完投で10奪三振。終盤のピンチで又してもギアを上げました。
屈指の剛腕に引っ張られた地元の選手たちだけの公立農業高校が甲子園常連の強豪私学を次々に倒していく姿はまさに野球漫画のようなストーリーで、全国の共感を呼ぶのは当然です。勿論、勝ち進んでほしい気持ちは強いですが、それ以上に吉田投手の投げ過ぎが心配です。選手は「どうだ?」と聞かれたら必ず「大丈夫。行けます!」と答えますからね。
今日は休養日です。準決勝の2試合は明日行われます。
▽準決勝
金足農−日大三
済美−大阪桐蔭
日大三も準決勝では完全アウェーの戦いになりそうです。その異様なムードが球場を包むと平常心を失いがちです。それが第2試合まで引きずられるようだと大阪桐蔭も分かりません。
いずれにせよ、金足農の躍進が近年で最も面白く盛り上がった大会にしてきたことは間違いありません。
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準決勝は2試合とも開始前に始球式が行われます。第1試合が桑田真澄さん(PL学園)、第2試合が佐々木主浩さん(東北)です。この2人、同学年で甲子園からプロでもしのぎを削ってきました。
大会は早くも残り2日になりました。あと3試合です。
準決勝の第1試合は10時試合開始予定です。
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