明治神宮大会の優勝校が属する地区には来春選抜大会の「明治神宮枠」1校分がプラスされます。今回は中京大中京が優勝しましたので、東海地区に割り振られます。
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そして、来春選抜大会での21世紀枠各都府県の推薦校が発表されました。
この枠を巡っては何かと荒れる原因になるので、特にコメントは差し控えたいと思っていましたが、ちょっとだけ述べさせてください。折角推薦されて出たとしても、甲子園でボコボコニされて全国に恥を晒す結果になれば、出場校も選手たちも可哀想ですから、少なくとも一般枠にひけを取らない力を持つ学校を選んでほしいと、かねてから願っておりました。選手たちに罪はありませんので、高野連と毎日新聞の勝手な思惑で選抜することだけは控えていただきたい。話題性とか地域貢献とか、野球とかけ離れた活動で選抜するのは、紅白歌合戦じゃああるまいし、あってはならないことと感じています。
もし、その成績に届いた学校がないのであれば、その大会に関しては21世紀枠を削減して一般枠に回すべきだと思います。そうでなければ、一般枠から外される結果となる3校が気の毒ですからね。
それでは、北海道を除く各都府県から推薦された46校です。尚、推薦理由は各都府県高野連が発表したもので、私の私的な意見は入っていません。
【青森県】
東奥義塾(県3位,地区8強)
<推薦理由>部活動と学業を両立させ練習も創意工夫し今秋東北大会ベスト8の成績を残した。球数制限に対応するため投手の育成に力を入れている。
【岩手県】
盛岡商(県4位)
<推薦理由>秋季県大会28年ぶりベスト4に勝ち上がるなど近年安定した成績をおさめながら各種の検定取得に向けた課外学習にも取り組んでいる。
【秋田県】
由利(県4位)
<推薦理由>冬の厳しい練習環境を克服して創部13年ながらチーム力が高く、秋県大会ベスト4まで勝ち上がった。
【山形県】
鶴岡工(県8強)
<推薦理由>秋の県大会12年ぶり8強入り。ボランティア活動や駐車場当て逃げ捜査に協力し高野連から善行表敬を受けるなど地域に貢献している。
【宮城県】
仙台商(県準優勝,地区2回戦)
<推薦理由>少人数部員ながらチームワークが良く秋県大会準優勝で東北大会に19年ぶりに出場した。ボランティアや伝承の活動などの地域貢献。
【福島県】
磐城(県3位,地区8強)
<推薦理由>東北大会開催中に台風19号で被災し緊迫した状況の中で出場継続を決断、大会で2勝をあげてベスト8の成績を残した。
【茨城県】
常磐大高(県8強)
<推薦理由>グラウンドが校舎から6キロ離れて練習時間が限られるが工夫を重ね練習に励み今夏県大会で強豪を連破して決勝進出。秋も健闘した。
【栃木県】
宇都宮(県8強)
<推薦理由>学業と部活動を両立させ今秋県大会ではベスト8に進出した。文武両道の取り組みは他校にも良い影響を与えている。
【群馬県】
伊勢崎清明(県8強)
<推薦理由>過去3年間の春夏秋の県大会でベスト8以上に5回進出した実績。多くの部員が大学進学を目標にして学業と部活動に励んでいる。
【埼玉県】
川口市立(県4強)
<推薦理由>限られた練習環境の中、今秋県大会で33年ぶりに準決勝に進出した。秋の県大会登録選手は地元選手中心で地域との関わりが強い。
【千葉県】
東金(県16強)
<推薦理由>15人の少数部員が練習に工夫を凝らしエース川戸投手中心に守り勝つ野球で今秋県大会16強。台風15号を乗り越え奮闘した。
【神奈川県】
三浦学苑(県4強)
<推薦理由>近年着実に力をつけ今秋県大会では55年ぶりのベスト4進出。夏県大会の球場補助員として貢献するなど人間形成に努めている。
【山梨県】
駿台甲府(県準優勝,地区1回戦)
<推薦理由>学業と部活動を両立させ今秋県大会では31年ぶりに決勝に進出し関東大会に出場した。ボランティアで地域に貢献している。
【東京都】
日大二(都8強)
<推薦理由>野球部はスポーツ推薦を実施せずに文武両道を実践している。秋の東京大会でベスト8まで勝ち上がった。
【新潟県】
北越(県優勝,地区4強)
<推薦理由>今秋県大会で優勝、北信越大会でもベスト4入りするなど近年力をつけている。他部と共有の狭い練習場で工夫して練習に励んでいる。
【長野県】
木曽青峰(県16強)
<推薦理由>高校から本格的に野球を始めたばかりの選手が多く、自然環境が厳しい上練習時間も限られる中で秋県大会ベスト16の成績をおさめた。
【富山県】
高岡南(県8強)
<推薦理由>進学校で練習が短く部員も少人数の環境の中、主体的で密度の濃い練習を積み秋県大会では富山商などの強豪を破ってベスト8に進出。
【石川県】
金沢商(県3位,地区8強)
<推薦理由>創部114年の古豪で甲子園から遠ざかっているが、厳しい練習環境の中近年好成績を残している。ボランティア活動を行っている。
【福井県】
敦賀(県準優勝,地区8強)
<推薦理由>校内に練習場所がなく時間も限られる中で今秋北信越大会に出場した。野球部は1906年創部で長い歴史を持ち地域に親しまれている。
【静岡県】
浜松西(県8強)
<推薦理由>野球部員は進学率100%で文武両道を実践。厳しい練習環境の中、選手が練習方法を決めるなど主体的に動き秋県大会ベスト8入り。
【愛知県】
東浦(県16強)
<推薦理由>部員不足で予選辞退が心配された時期を乗り越え秋県大会で16強入り。地元の駅や老人ホームの手伝いなどで地域連携を深めている。
【岐阜県】
大垣西(県3位,地区1回戦)
<推薦理由>秋県大会3位で東海大会出場。県高野連のアドバイザー派遣事業の活用、ベースボールドクターとの連携で投手の障害予防に努めている。
【三重県】
近大高専(県優勝,地区8強)
<推薦理由>今秋東海大会に出場するなど近年戦力が安定し高専初に加え伊賀地域発の甲子園の期待がかかる。私立の高専として文武両道を実践。
【滋賀県】
伊香(県4位)
<推薦理由>140キロの速球を投げる隼瀬投手中心に高い守備力で今秋県大会4強の実績を残し「古豪復活」を示した。冬季の除雪などの貢献活動。
【京都府】
西城陽(府4位)
<推薦理由>文武両道を掲げ校風、品格、技能も地域からの評判が良く他の高校や地域の住民・小中学生に良い影響を与え模範となっている。
【大阪府】
箕面学園(府8強)
<推薦理由>今春の府大会準優勝、今秋府大会8強など試合成績が良い。野球部を含む運動部の率先したあいさつが他の生徒にも広がっている。
【兵庫県】
市西宮(県8強)
<推薦理由>他部との共有グラウンドで1日約2時間の短時間の練習を集中、創意工夫して取り組み今秋県8強入りするなど近年好成績をあげている。
【奈良県】
奈良(県4位)
<推薦理由>学業と部活動を両立させ、創意工夫を凝らした練習に取り組み秋の県大会でベスト4の実績を残した。
【和歌山県】
日高中津(県4強)
<推薦理由>秋県2次予選でベスト4に進出し強豪智弁和歌山相手に善戦した。地元の少年野球チームの練習サポートなど地域貢献活動を行っている。
【岡山県】
岡山一宮(県16強)
<推薦理由>今秋県大会16強の成績。業務効率化理論を導入し短時間の効率の良い練習を工夫して行っている。昨年の豪雨時のボランティア活動。
【広島県】
油木(県16強)
<推薦理由>少子高齢化により単独チームで出場できない大会もあったが、地域の支援により逆境を乗り越え今秋県大会16強の成績を残した。
【鳥取県】
倉吉東(県4位,地区1回戦)
<推薦理由>学業と部活動を両立させ、平日約2時間半の短時間の練習を効率良く行なって今秋県4強など近年県内で好成績をあげている。
【島根県】
平田(県準優勝,地区8強)
<推薦理由>今春選抜21世紀枠補欠1位、今秋も好成績をあげた。野球人口拡大のために実施している野球体験会が中国地区各地に普及している。
【山口県】
豊浦(県優勝,地区1回戦)
<推薦理由>文武両道を信条に練習の質と量をあげるため選手間でミーティングを頻繁に行ない創意工夫して秋県大会23年ぶりの優勝を果たした。
【香川県】
高松北(県8強)
<推薦理由>中高一貫校の継続的な指導で成果をあげた。今夏県大会ベスト8、秋県大会もベスト8で惜しくも敗れるも投打に粘りを発揮し善戦した。
【徳島県】
城東(県3位,地区8強)
<推薦理由>少人数の部員が文武両道を実践し練習にも創意工夫して今秋県大会3位、四国大会に初出場するなど好成績を残している。
【愛媛県】
松山北(県8強)
<推薦理由>市内有数の進学校として学業と部活動を両立させ、限られた練習時間と施設面のハンディを乗り越え今秋の県大会8強入りを果たした。
【高知県】
高知工(県8強)
<推薦理由>厳しい練習環境の中、県大会で好成績を残した。国公立大進学者、国家資格取得者が多い。積極的に挨拶ができ、大会運営にも協力的。
【福岡県】
宗像(県4位)
<推薦理由>県立の進学校でありながら秋県大会でベスト4まで勝ち上がり、優勝校と善戦した。近隣の高校と小学生向け野球教室を開いている。
【佐賀県】
白石(県4強)
<推薦理由>8月の杵藤地区大会で優勝し9月の佐賀大会でもベスト4に進出するなど近年安定した成績を残している。選手らのマナーの良さ。
【長崎県】
大村(県8強)
<推薦理由>「両道不岐」の校是のもと文武両道を実践。他部とグラウンドを共有するなど制約の多い環境の中で練習を工夫し秋県大会で8強入り。
【熊本県】
球磨工(県16強)
<推薦理由>地元出身者が多く部活動だけでなく資格取得に向けた課外授業にも励み、「ものづくり」の特色を生かし工夫して野球に取り組んでいる。
【大分県】
大分国際情報(県4位)
<推薦理由>学校に練習場がなく地元の公営施設を借りながら少ない時間の中で練習に励み今秋県大会ベスト4の成績を残した。
【宮崎県】
宮崎北(県4位)
<推薦理由>今秋の県大会では強豪の延岡学園や日南学園に勝って4強入りを果たした。ボランティア活動も積極的に取り組んでいる。
【鹿児島県】
枕崎(県4強)
<推薦理由>創立94年の伝統校で文武両道を実践しながら今秋県大会で強豪・樟南に勝ち4強入りを果たすなど安定したチーム力を維持している。
【沖縄県】
本部(県8強)
<推薦理由>2年生中心のメンバーで夏の選手権初戦敗退後打撃を強化し新人中央大会4強。秋県大会でもベスト8進出で強豪沖縄尚学に善戦した。
では、過去の都道府県別の地区推薦回数と選抜出場回数を21世紀枠に限定して確認してみます。北海道は道推薦=地区推薦なので選抜出場回数のみです。
*北海道
A選抜出場回数:
3回
*青森県
@地区推薦回数:
1回
A選抜出場回数:
0回
*岩手県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
3回
*秋田県
@地区推薦回数:
4回
A選抜出場回数:
2回
*山形県
@地区推薦回数:
2回
A選抜出場回数:
1回
*宮城県
@地区推薦回数:
6回
A選抜出場回数:
3回
*福島県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
2回
*茨城県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
1回
*栃木県
@地区推薦回数:
4回
A選抜出場回数:
1回
*群馬県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
0回
*埼玉県
@地区推薦回数:
1回
A選抜出場回数:
0回
*千葉県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
1回
*神奈川県
@地区推薦回数:
0回
A選抜出場回数:
0回
*山梨県
@地区推薦回数:
2回
A選抜出場回数:
1回
*東京都
@地区推薦回数:
2回
A選抜出場回数:
1回
*新潟県
@地区推薦回数:
5回
A選抜出場回数:
2回
*長野県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
0回
*富山県
@地区推薦回数:
2回
A選抜出場回数:
0回
*石川県
@地区推薦回数:
6回
A選抜出場回数:
1回
*福井県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
0回
*静岡県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
0回
*愛知県
@地区推薦回数:
6回
A選抜出場回数:
2回
*岐阜県
@地区推薦回数:
4回
A選抜出場回数:
1回
*三重県
@地区推薦回数:
5回
A選抜出場回数:
0回
*滋賀県
@地区推薦回数:
4回
A選抜出場回数:
2回
*京都府
@地区推薦回数:
2回
A選抜出場回数:
0回
*大阪府
@地区推薦回数:
1回
A選抜出場回数:
0回
*兵庫県
@地区推薦回数:
2回
A選抜出場回数:
2回
*奈良県
@地区推薦回数:
2回
A選抜出場回数:
0回
*和歌山県
@地区推薦回数:
8回
A選抜出場回数:
3回
*岡山県
@地区推薦回数:
0回
A選抜出場回数:
0回
*広島県
@地区推薦回数:
4回
A選抜出場回数:
0回
*鳥取県
@地区推薦回数:
4回
A選抜出場回数:
0回
*島根県
@地区推薦回数:
7回
A選抜出場回数:
3回
*山口県
@地区推薦回数:
4回
A選抜出場回数:
1回
*香川県
@地区推薦回数:
5回
A選抜出場回数:
2回
*徳島県
@地区推薦回数:
5回
A選抜出場回数:
3回
*愛媛県
@地区推薦回数:
4回
A選抜出場回数:
2回
*高知県
@地区推薦回数:
5回
A選抜出場回数:
2回
*福岡県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
0回
*佐賀県
@地区推薦回数:
2回
A選抜出場回数:
1回
*長崎県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
0回
*熊本県
@地区推薦回数:
1回
A選抜出場回数:
1回
*大分県
@地区推薦回数:
1回
A選抜出場回数:
1回
*宮崎県
@地区推薦回数:
4回
A選抜出場回数:
1回
*鹿児島県
@地区推薦回数:
2回
A選抜出場回数:
1回
*沖縄県
@地区推薦回数:
3回
A選抜出場回数:
1回
※21世紀枠での選抜出場が1度もない都道府県
・青森県
・群馬県
・埼玉県
・神奈川県
・長野県
・富山県
・福井県
・静岡県
・三重県
・京都府
・大阪府
・奈良県
・岡山県
・広島県
・鳥取県
・福岡県
・長崎県
※地区推薦が1度もない都道府県
・神奈川県
・岡山県
47都道府県の中で1度もこの枠で選抜に出ていない都道府県が
「17」あるというのは、21世紀枠の選抜自体がかなり偏っているということで、それには様々な大人の事情が関わっていると思わせます。
そして、地区推薦すら1度もない神奈川県と岡山県は、選ばれないことをむしろ誇りにした方が良いと思います。
この両県の過去に県高野連が推薦した学校です。
*神奈川県
2001年第73回
向上
2002年第74回
神奈川工
2003年第75回
厚木西
2004年第76回
横浜創学館
2005年第77回
鎌倉学園
2006年第78回
立花学園
2007年第79回
藤嶺藤沢
2008年第80回
川崎北
2009年第81回
市川崎
2010年第82回
鎌倉学園
2011年第83回
藤嶺藤沢
2012年第84回
湘南学院
2013年第85回
平塚学園
2014年第86回
日大高
2015年第87回
湘南学院
2016年第88回
日大高
2017年第89回
横浜創学館
2018年第90回
鎌倉学園
2019年第91回
横浜商
神奈川に関しては、そもそも推薦できる学校の中に公立校が殆どいないことが理由の一つかと思います。
*岡山県
2001年第73回
倉敷青陵
2002年第74回
津山工
2003年第75回
岡山大安寺
2004年第76回
岡山東商
2005年第77回 (推薦校なし)
2006年第78回
岡山南
2007年第79回 (推薦校なし)
2008年第80回
岡山南
2009年第81回
金光学園
2010年第82回
倉敷南
2011年第83回
水島工
2012年第84回
金光学園
2013年第85回
玉島商
2014年第86回
東岡山工
2015年第87回
玉島商
2016年第88回
倉敷古城池
2017年第89回
玉島商
2018年第90回
岡山芳泉
2019年第91回
勝山
岡山の推薦校を見ていると、地区推薦されることが21世紀中にないだろうと感じます。
22世紀になったら22世紀枠ができるのかどうかは分かりませんし、そもそも21世紀枠をいつまで続けようとしているのかという疑問も持ち続けています。
選抜の魅力はトーナメントを勝ち抜いた学校のみが出場する夏と違って、トーナメントで敗れても理由があれば選ばれるところなのですが、それなら一般枠でその理由を探って選抜すれば良いと思います。地区大会で未勝利でも、優勝校に善戦したという理由でも構わないでしょう。
1986年の岡山南は地区大会未勝利で選抜されてベスト4まで進みました。優勝候補の東邦や上宮も下しています。見る目を持った人が偏見なしに選べば、選手たちが結果を出してくれるはずです。その見る目がないだけでしょうが(苦笑)
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関係ないことで顰蹙を買うかも知れませんが、「文武両道」を良しとする風潮が続いていますね。高野連もしきりにこれを持ち出します。しかし、進学実績が高くて野球が強ければ「文武両道」と持ち上げるのであれば、大阪桐蔭や智弁和歌山もその範疇に入ります。並みの公立校よりも実績がありますから。真に文武両道とするなら、野球部員、それもレギュラークラスの選手が東大や京大に何人進学したかをもって語るべきです。一般生徒の頑張りをもって、野球部の文武両道を語るなら、大阪桐蔭も智弁和歌山も入れないと不公平ではないですか?
余談ついでに、智弁和歌山の野球部は徹底した少数精鋭を貫いていますが、進学コースに関しても毎年少数精鋭主義ですね。その徹底ぶりにはむしろ頭が下がります(笑)
選考理由ではなく、選考基準を明確にすべきというのは一般枠も同様です。
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