
ついに悲願の日本一まであと1勝まで辿り着いた岡山シーガルズ。V1女子のファイナルが行われました。対戦相手はレギュラーラウンドとファイナル8の2試合ともストレートで苦杯をなめさせられたJTマーヴェラスです。簡単な試合にはなりませんが、つけ入る隙を何とか探るような試合の予想でした。
JTと言えば、アメリカ代表のスーパーエース、サウスポーのドルーズがいます。早い話、彼女の得点力をどこまで下げるかが、この試合の全てでした。
2014年に日本一を争う舞台に初めて到達した時の相手、久光製薬スプリングスは助っ人がいてもいなくても日本選手だけでかなり出来上がっていたチームでしたが、今回のJTマーヴェラスはチームの総合力よりも個人の高い能力を集めて、徹底的な攻撃型のチームになっています。シーガルズが最も苦手とするチームと言っても良い、やり難い相手でした。
しかし、泣いても笑ってもこの試合で日本一が決まります。前日のセミファイナルでデンソーエアリービーズとフルセットの死闘を何とか勝ち切ってきたシーガルズと、同じセミファイナルをストレートで勝ってきたJTとでは、体力的にも大きな差がありました。勝利の為には先手必勝、早期に決着をつけることの方が賢明な判断です。ただ、地力に劣るシーガルズがそれをできるかと言えば大きな疑問です。競り合いを拾う勝ち方しか勝機がないとすれば、かなり厳しい戦いになると予想していました。
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*国立代々木競技場 第一体育館
JT 3-2 岡山
┌25-22┐
│24-26│
│23-25│
│25-14│
└15-07┘
河本監督が試合後におっしゃっていたように、第4セットで決め切らないといけない試合でした。JTは第3セットまで混乱しているところがあったので、一気に行けば勝ち切れたかも知れません。ファイナルセットまで持ち込まれたことで、ドルーズが完全に息を吹き返し、最後は圧倒されてしまいました。
ただ、2試合をストレートで簡単にやられてしまっていたJT戦でフルセットまで戦えて、日本一まで「あと1セット」まで行ったことは、現状のチーム力から見て凄いことだと言えます。「あと1セット」を自分たちの力で奪い取れるかどうかが、このチームの今後の課題とも言えますね。
昨日のシーガルズのベンチ入りメンバーです。
#1 吉田みなみ
#4 吉岡美晴
#5 宇賀神みずき
#6 渡邊真恵
#7 佐々木萌
#8 及川真夢
#10 西村弥菜美
#12 居村杏奈
#14 宮下 遥
#18 金田修佳
#20 丸山亜季 L
#21 高野由里加
#27 楢崎慈恵 L
#28 川島亜依美
JTのスーパーエースのドルーズがサウスポーである為、シーガルズの佐々木、金田の両レフトと常に対峙するフォーメーションになります。JT戦で、シーガルズのレフトが機能しない原因の一つがそこにあります。昨日の試合もオボジットポジションの渡邊は左ということもあってアタック得点が21点と気を吐きましたが、佐々木と金田の両エースは合わせても25点に抑えられました。ドルーズ1人で33点取られたのとは対照的な結果になっています。更に、こちらのブロッカーが相手のライトに気持ちが傾く為に、レフトへの対応がワンテンポ遅くなり、ブロックアウトを取られる結果が続きました。途中から勢いが一方的にJTに傾いた理由の中にはレフトの林に大事なポイントを決められたこともあります。そして守備が混乱して、ドルーズにも得点を量産されたのです。ここまで、JT以外の相手との対戦では、相手のエースとこちらのレフトが対峙する場面はありませんでした。これは大きな敗因の一つです。
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今季のV1女子の最終順位は以下の通りです。
優 勝:JTマーヴェラス
準優勝:岡山シーガルズ
第3位:埼玉上尾メディックス
第4位:デンソーエアリービーズ
第5位:トヨタ車体クインシーズ
第6位:東レアローズ
第7位:久光製薬スプリングス
第8位:NECレッドロケッツ
第9位:日立リヴァーレ
第10位:KUROBEアクアフェアリーズ
第11位:PFUブルーキャッツ
第12位:ヴィクトリーナ姫路
更に、個人賞です。
*優勝監督賞:
吉原知子(JT) 初
*最高殊勲選手賞:
ドルーズ・アンドレア(JT) 初
*敢闘賞:
金田修佳(岡山) 初
*得点王:
オズソイ・ネリマン(車体) 2度目
*スパイク賞:
シニアード・ジャック(デンソー) 初
*ブロック賞:
タップ・ハンナ(日立) 初
*サーブ賞:
ドルーズ・アンドレア(JT) 初
*サーブレシーブ賞:
新鍋理沙(久光) 6度目
*レシーブ賞:
井上琴絵(デンソー) 2度目
【ベスト6】
ドルーズ・アンドレア(JT) 初
金田修佳(岡山) 初
オズソイ・ネリマン(車体) 2度目
シニアード・ジャック(デンソー) 2度目
荒木絵里香(車体) 11度目
籾井あき(JT) 初
*ベストリベロ賞:
小幡真子(JT) 3度目
*最優秀新人賞:
石川真佑(東レ) 初
*フェアプレー賞:
長内美和子(日立) 初
優秀GM賞:
関 明夫(岡山) 初
*松平康隆賞
吉原知子(JT) 初
これで、今季のV1女子の日程はひとまず終了しました。PFUと姫路はV2との入替戦が残っています。
今後は皇后杯が開催されますが、それ以降は五輪モードに突入します。
中田久美監督が賢明な判断ができるのであれば、代表セッターは宮下、レフトのパスヒッターは金田と古賀で考えてほしいと思っています。
選手、スタッフの皆さん、長いリーグ戦お疲れ様でした。
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