今、恵方巻ってどのくらい売れているか、ご存知ですか?。
歳時記売上では、クリスマス、バレンタインに次ぐ売上高と言われています。大変なものですね。
その起源は、諸説あります。豊臣秀吉の家臣が出陣に際して、巻寿司をまるかぶりして、必勝を祈願したとするものや、明治時代に船場の商人が商売繁盛を祈願したというもの、その他にも色々ありますが、よく分かりません。昭和初期には、海苔問屋が奨励して、結構盛大なイベントになっていたらしいのです。
しかし、敗戦の後しばらくはすたれた風習となっていました。復活の起爆剤となったのは、オイルショックでした。海苔の消費低迷に頭を痛めた大阪の海苔問屋組合が、海苔の消費拡大を図って『節分に恵方に向かって巻寿司をまるかぶりして、一年の幸福を祈念する』というキャンペーンを考案したのです。その動きに、ミツカンなどの醸造酢メーカーが呼応して、恵方巻の風習は少しずつ大阪の街に浸透し始めました。
一気に全国展開を見せ始めたのは、1990年代の中盤以降です。広島のセブンイレブンの店主たちを中心に恵方巻の注文販売を提案し、西日本一帯にこのイベントを広めていくきっかけを作りました。2000年以降、ローソンやファミリーマートなどが追従し、西日本から全国へと大きな広がりを見せたのです。
元を正せば、海苔屋の陰謀にまんまと乗せられたのですが、ここまでポピュラーになるとは思ってなかったでしょうね?。
※一説に「寿司屋の陰謀」説を唱えた者がいましたが、それはないでしょうね?。手間がかかる割には、単価が上がらず、儲けの少ない巻寿司ですから、切る手間が省けたとしても「割に合わない」ものとして敬遠されそうですね。
全国に広げたのは、コンビニの陰謀です。しかし、この風習に地域差は大きく、全く浸透していない地域も少なくありません。
今年の恵方は『東北東!』です。節分には、東北東に向かって、ただひたすら無言で太巻を"まるかぶり"。結構きついんですよね。
そう言えば、恵方巻の消費が拡大し始めたころから、『節分豆』って売れなくなったような気がします。節分の豆まきは、お寺などだけのイベントになってしまったみたいですね。


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