日本では一発勝負の五輪予選というのは開催不可能と誰しも思っていました。過去に五輪マラソン選手選考では何度も物議を醸して来ました。
今回の「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」はそういった過去を振り切って、日本のマラソンが新しい時代を迎える為に行われる筈のものでした。が、この大会も決して一発勝負ではありません。
マラソン代表は、男子3名、女子3名です。この大会で東京五輪出場が内定するのは男女各2名です。MGC3位の選手は、今後行われる男女各3レースで派遣設定記録を破る選手が出ない場合に選ばれるという、可能性を残すにとどまります。
その派遣設定記録とは、男子が
2時間5分49秒、女子が
2時間22分22秒です。複数の選手がこのタイムを破った場合にはその最上位の選手が選ばれることになります。
これが
「MGCファイナルチャレンジ」3レースで、男子は
「第73回福岡国際マラソン選手権大会」「東京マラソン 2020」「第75回びわ湖毎日マラソン大会」の3大会、女子は
「第5回さいたま国際マラソン」「第39回大阪国際女子マラソン大会」「名古屋ウィメンズマラソン 2020」の3大会となります。
東京五輪本番を想定した夏のレースだった今回のMGCと冬の3大会(しかもペースメーカーがつく)では、五輪への適性判断に違いが生じることも考えられるので、何とも中途半端と言えますが、今回2名を決めるレースが行われたことは一歩前進なのかも知れません。
出典:http://www.mgc42195.jp/
中継は男子をTBS、女子をNHKが中継しながら、お互いに相乗りして情報を流すという史上初の試みが行われました。
CMが何度も入る男子に比べて、女子の中継が何と見やすかったことか、というのは結果論ですが、そこそこ盛り上がったことは良かったのではないでしょうか?
出典:https://www.excite.co.jp/news/
1964年の東京五輪のマラソンは調布市の飛田給を折り返すコースでしたが、来年の五輪コースは上記と同じ都心を走ります。ただ一つ違うのは五輪本番のスタートとゴールが新国立競技場ということのみです。
それでは、男女のレース結果です。
男子は30名、女子は10名が出場しました。昨今の男子の盛り上がりに対して、記録低迷気味の女子が心配ではあります。
【男子】
@中村匠吾(富士通) 2:11:28
A服部勇馬(トヨタ自動車) 2:11:36
--------五輪内定--------
B大迫 傑(Nike) 2:11:41
C大塚祥平(九電工) 2:11:58
D橋本 崚(GMOアスリーツ) 2:12:07
E竹ノ内佳樹(NTT西日本) 2:12:31
F鈴木健吾(富士通) 2:12:44
G中本健太郎(安川電機) 2:12:46
H藤本 拓(トヨタ自動車) 2:13:58
I岡本直己(中国電力) 2:14:55
【女子】
@前田穂南(天満屋) 2:25:15
A鈴木亜由子(日本郵政グループ) 2:29:02
--------五輪内定--------
B小原 怜(天満屋) 2:29:06
C松田瑞生(ダイハツ) 2:29:51
D野上恵子(十八銀行) 2:31:14
E一山麻緒(ワコール) 2:32:30
F福士加代子(ワコール) 2:33:29
G安藤友香(ワコール) 2:36:29
H岩出玲亜(アンダーアーマー) 2:41:22
*上原美幸(第一生命)は、途中棄権
リオ五輪に1秒差で届かなかった小原は今回での雪辱をモチベーションにして4年間を戦ってきました。今大会では4秒差で3位。何度も見舞われる悲運のイメージを払拭するには、今後の代表選考レースの結果を静観するよりは、自らが走って結果を出すことも必要かも知れません。
まあ、あくまで個人の勝手な意見です。決めるのは本人です。どの選択をするかはしっかり考えて決めてほしいものですね。
お疲れ様でした。
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