米大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会が今季のレギュラーシーズンからのルール変更を発表しました。
それが昨今話題になっていた敬遠四球は守備側の監督が意思表示するだけで、投手が1球も投げることなく打者が1塁に歩くというものです。
敬遠は故意四球です。こういう言い方を聞くと悪意の存在を連想するかも知れませんが、あくまで敬遠四球は作戦の一環です。
常に敬遠で思い出されるのは、松井秀喜の5打席連続敬遠ですよね。甲子園が怒号の嵐に包まれたあの大事件から既に四半世紀が過ぎました。
良くも悪くもドラマを生む敬遠。投手が投げる4球に微妙な心理が宿ります。
それは単に時間短縮だけでは計り知れない野球の醍醐味の減少に繋がるように感じられます。
小林繁が開幕戦で敬遠の投球を暴投、サヨナラワイルドピッチ事件がありました。特に全力投球を常とするピッチャーは得てして軽く投げることを苦手としています。それが生み出したドラマです。
クロマティや新庄が敬遠のボールを打ってサヨナラヒットしたこともありました。敬遠のボールは打たないという先入観がついついストライクゾーン近くに投げてしまう投手心理が働きます。バットが届く範囲はストライクというバッターにとっては棒球のストレートは餌食になります。
敬遠と見せかけて勝負。くさいところをついて、カウントによって歩かせる。ボール球を勝負の綾に使う野球の妙味が失われかねない今回の大リーグのルール変更にはかなりの違和感を感じています。
日本に影響するかどうかは未知数ですが、気になることではありますね。

0