照ノ富士の大関復帰が決まりました。膝の故障と糖尿などの内臓疾患で一時はボロボロでしたから、報道される内容以上に「奇跡の復活劇」だと思います。
照ノ富士の大関陥落から復帰までを時系列で追ってみます。
平成29年7月 東大関 1勝5敗9休
平成29年9月 東大関 1勝5敗9休
平成29年11月 東関脇 0勝5敗10休
平成30年1月 東前頭10 0勝8敗7休
平成30年3月 西十両5 6勝9敗
平成30年5月 東十両8 0勝9敗6休
平成30年7月 東幕下6 0勝0敗7休
平成30年9月 東幕下47 0勝0敗7休
平成30年11月 西三段目27 0勝0敗7休
平成31年1月 西三段目88 0勝0敗7休
平成31年3月 西序二段48 7勝0敗
令和元年5月 東三段目49 6勝1敗
令和元年7月 東幕下59 6勝1敗
令和元年9月 東幕下27 6勝1敗
令和元年11月 西幕下10 7勝0敗
令和2年1月 西十両13 13勝2敗
令和2年3月 東十両3 10勝5敗
令和2年7月 東前頭17 13勝2敗
令和2年9月 東前頭1 8勝5敗2休
令和2年11月 東小結 13勝2敗
令和3年1月 東関脇 11勝4敗
令和3年3月 東関脇 12勝3敗
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陥落してから序二段まで落ち、しかし復帰して以降のV字回復も物凄いですね。大関まで務めた力士ですから、少なくとも7番相撲なら圧倒できるかというとそうは行っていません。それだけ身体の回復状態は万全ではないということなのだと思います。
それでも、照ノ富士は21場所ぶりの大関復帰となりました。使者への口上は
「謹んでお受け致します。本日は誠にありがとうございました」という実にシンプルなものでした。6年前、最初の大関昇進の時の口上は
「今後も心技体の充実に努め、さらに上を目指して精進いたします」でしたから、元々難しい四字熟語を使ったりはなかったのですが、その時よりも更に簡略に短くまとめた心の内には、以前と同様に横綱を目指す気持ちは変わっていないという意思表示であったと思います。
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大関を陥落して、10勝の特例を使わずに再び大関に復帰したのは魁傑以来で史上2人目のことです。しかも、平幕から7場所で復帰した魁傑とは違い、どん底まで落ちて序二段から復帰したというのは勿論初めてですし、心が折れることもあったでしょうから、やはり奇跡としか言えないことなのです。
ただ、ここでもろ手を挙げて喜べないこともありますよね。
照ノ富士に関しては、膝に爆弾を抱えていることは皆さんのご承知の通りです。昨日の使者への応対も正座を避けてのものだったそうです。状態はそれほど良くはなっていないようで、土俵上でも下がる相撲を取ってしまうと再発する恐れが強くあります。巨体が武器の相撲ですが、その身体を支える膝に故障を持っているということは、一つ間違えば命取りとなります。そこは、本人も熟知しているのでしょうが、本場所の土俵は何が起きるか分かりません。前に出ている内は良いのですが、下がることも想定しないといけません。どう乗り越えるかは本人にしかできないことですがかなり心配です。
それでも、ここまでの苦労と努力は並大抵ではなかったでしょうから、それが報われてほしいというのは偽らざる気持ちです。
照ノ富士は入門の際に白鵬に裏切られて辛い思いをしたという恨みもあるそうです。白鵬だけは許さないという気持ちがここまでの復活の支えになった部分もあるかも知れません。白鵬本人と対戦することがあるかどうかは分かりませんが、もしも七月場所で対戦が実現すれば、白鵬に引導を渡す一番になるかも知れませんね。
いずれにせよ、苦難に立ち向かう姿勢で日本に活力を頂けたら嬉しく思います。
頑張れ!!
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