「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」等の公布予定の公表について
金融庁は、「
企業内容等の開示に関する内閣府令」を2010年3月31日に公布予定であることを発表しました(一部を除き、公布の日から施行予定)。
上場会社のコーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する開示内容の充実を図ることを目的とした改正であるとされています。
改正の概要は以下のとおり
○上場会社について、有価証券届出書、有価証券報告書等において次の1から3の事項の記載を義務付ける。
1
コーポレート・ガバナンス体制(注:以下は現行の記載事項に追加されるものです。)
(1)コーポレート・ガバナンス体制(会社が任意に設置する委員会その他これに類するもの(例:経営諮問会議)を含む。)の概要・当該体制を採用する具体的な理由
(2)内部監査・監査役(監査委員会)監査の組織・人員(
財務及び会計に関する相当程度の知見を有する監査役又は監査委員について当該知見の内容)・手続
(3)社外取締役・社外監査役について
1) 社外取締役・社外監査役の機能・役割(社外取締役・社外監査役の独立性に関する考え方を含む。)、
社外取締役・社外監査役の選任状況についての考え方
2) 社外取締役・社外監査役による監督・監査と内部監査・監査役監査・会計監査との相互連携や内部統制部門との関係
3) 社外取締役・社外監査役を選任していない場合には、それに代わる体制及び当該体制を採用する理由
2
役員報酬
(1)取締役(社外取締役を除く。)・監査役(社外監査役を除く。)・執行役・社外役員に区分した報酬等の総額、報酬等の種類別(基本報酬・ストックオプション・賞与・退職慰労金等の区分)の総額等
(2)
役員ごとの提出会社と連結子会社の役員としての報酬等(連結報酬等)の総額・連結報酬等の種類別の額等(ただし、連結報酬等の総額が
1億円以上の役員に限ることができる。)
(3)提出日現在において報酬等の額又はその算定方法の
決定方針がある場合、その内容及び決定方法
3
株式保有状況
(1)
政策投資目的で保有する株式
1) 投資有価証券に区分される株式(投資株式)のうち純投資目的以外の目的で保有する株式についての
銘柄数・貸借対照表計上額の合計額
2) 純投資目的以外の目的で保有する上場投資株式(特定投資株式)の
銘柄・株式数・貸借対照表計上額・具体的な保有目的(銘柄別に当事業年度及び前事業年度の貸借対照表計上額が資本金額の1%を超えるもの、最低限上位30銘柄は開示)
(注:「みなし保有株式」(例えば、保有株式を信託銀行に信託に出して信託受益権を譲渡したが、当該株式に係る議決権行使の指図権限を有するもの)も開示対象です。)
(注:提出会社が持株会社の場合は連結子会社が保有する株式まで開示される場合があります。)
(2)
純投資目的で保有する株式
1) 上場株式・非上場株式に区分し、当事業年度及び前事業年度における
貸借対照表計上額並びに当事業年度における
受取配当額、売却損益及び評価損益
2) 当事業年度において保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に、又は純投資目的以外の目的から純投資目的に
変更したものがある場合には、それぞれ区分して、銘柄ごとに、銘柄・株式数・貸借対照表計上額
○上場会社について、株主総会において決議事項が決議された場合に、
議決権行使結果を記載した臨時報告書の提出を義務付ける。
臨時報告書を除き、ほとんどが、2010年3月期の有価証券報告書から適用です。ただし、政策投資目的株式の銘柄別開示については、最初の1年間、上位10銘柄を開示します。
(注:開示すべき銘柄については、本則、経過措置とも非常に複雑です。)
開示府令新旧対照表(PDFファイル)(規定上の具体的な改正箇所は、臨時報告書の記載事由と、有価証券届出書様式(多くを有価証券報告書の様式でも準用)の「記載上の注意」の「コーポレート・ガバナンスの状況」です。)
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上場企業:1億円以上の役員報酬開示義務付け 31日施行