井筒屋:最終損失39億円 5期ぶり赤字 8月中間連結
東証1部上場の井筒屋が、持分法適用関連会社との合併で特別損失41億円を計上し、2014年8月の第2四半期決算で赤字になったという記事。
「井筒屋(北九州市)が6日発表した2014年8月中間連結決算は、持ち分法適用関連会社だった駐車場管理のエビス(同)の吸収合併に伴って特別損失41億円を計上し、最終(当期)損失39億6300万円と、5期ぶりの赤字となった。」
完全子会社化と合併に関するプレスリリース
持分法適用関連会社株式の取得(完全子会社化)及び吸収合併(簡易合併・略式合併)、並びに特別損失発生に関するお知らせ(2014年4月)(PDFファイル)
元・関連会社に対しては29%保有で持分法適用関連会社でしたが、他の株主から株式を買い取って完全子会社化し、すぐに吸収合併したようです。
取得価額は3,550,000 円であり、ごくわずかな金額です。71%の持分の時価(公正な評価額で取得しているはずなので時価と取得価額はその時点では一致している)がこの金額ですから、逆算すると井筒屋の持分の時価は約130万円にしかなりません。
一方、特別損失については以下のように書いています。
「当社の平成27 年2 月期第1四半期の連結決算におきまして、上記の完全子会社化及び吸収合併により、
抱合せ株式消滅差損として特別損失が約41 億円発生する見込みであります。当該損失は、
被合併会社(エビス)から受け入れた純資産と当社が所有する同社株式の帳簿価額との差額として計上されるものであり、資金支出を伴うものではありません。」
ということは、投資の簿価が41億円以上あったということになりそうです。持分法による投資の計上金額は時価評価ではないので、時価と差があってもよいのですが、ちょっと差がありすぎのような気がします。
そもそも、連結決算なのですから、完全子会社のままであっても、合併しても、税務は別として、実態は変わらないはずであり、合併したからといって損失を計上するというのは理解しにくいところがあります。
ネットで検索してみると「あくまで抱合せ株式消滅差損益は親会社単体決算上計上されるものであるため,連結決算においては消去の対象となります」と書いている解説もあります。
こちらです(214ページ)。
組織再編の会計処理と税務 - 新日本有限責任監査法人(PDFファイル)