マイナンバー制度のワーストシナリオに備えよ
企業も行政もマイナンバー制度のワーストシナリオに備える必要があるという記事。
制度のスタート時点で、3つのヤマ場があり、それぞれワーストシナリオが考えられるそうです。
「通知カードは、10月中旬ごろから住民票がある全ての世帯に簡易書留で届く。外国籍の人にも通知カードが届く。ここに最初のヤマがある。企業は
外国籍や非正規雇用の従業員からも、マイナンバーを伝えてもらわなければならない。
通知カードを受け取らなかったり、捨てられてしまうワーストシナリオが想定される。
2つめのヤマが、マイナンバーの利用が始まる2016年1月だ。この時点で、例えば正月の短期アルバイトやパート勤めの人は、マイナンバーを申告しなければならないだろう。雇用した企業は、
高校生や主婦からもマイナンバーを伝えてもらって本人確認をする必要がある。だが、離職後にマイナンバーと本人確認が必要だと分かって、
源泉徴収票にマイナンバーを記載できない企業が続出する恐れもある。
一番の問題は2016年2〜4月にかけて就職や異動などが増える時期だ。そのころには
通知カードを捨ててしまった人も現れるだろう。通知カードをなくしてしまうと、再発行やマイナンバーが記載された住民票の写しなど代わりの書類が必要だ。原則として住んでいる市区町村の窓口に出向いて確認作業を求められ、手続きも有料となりそうだ。窓口で時間を取られるだけでなく、確認書類が足りないといわれて不満を募らせる人も出るだろう。マイナンバー制度そのものへの反発が広がってしまう恐れも考えられる。」
記事によると、行政による周知やサポートも不十分なようです。また、関係する規則等でまだ決まっていないものも多いようです。
必ず何かしらの混乱が起きるものと覚悟しなければならないのでしょう。
マイナンバー法:政府はメリット強調 悪用被害への懸念も(毎日)
「法案を可決した27日の参院内閣委員会。山本太郎氏(生活)は採決を前にした質疑で、米国では
流出した社会保障番号を悪用して他人が税の還付手続きをするなどの被害が、2006年からの2年間で1000万件以上に上るとのデータを示した。その上で「米国では近年、多くの業務を一つの番号で管理する共通番号から、
分野別番号への移行が始まっている」と指摘した。」
「改正法案は、預金口座など民間分野の利用に道を開く。さらに政府は医療情報の管理にも対象を広げる方針だ。醍醐聡・東京大名誉教授(会計学)は「利用範囲が広がれば、その分、流出リスクが高まる。今後、
さまざまな個人情報が政府に集積することになるなら、国民が制度の運用をきちんと監視していくことが大切だ」と語った。」
「マイナンバー」国民の不安拭えぬまま…法改正案成立へ ずさん管理、ただせるか(産経)
「会津大の山崎文明特任教授(情報セキュリティー)は「マイナンバーが始まると意識や対策費がばらばらな団体が膨大な個人データを持つことになる。
情報が漏れないはずがない」と指摘している。」
マイナンバー「準備完了」企業2% 市民の4割「制度知らない」(東京)
「東京商工リサーチが六〜七月に実施し、企業四千九百四十二社から回答を得た調査では、マイナンバー制度への対応作業が「おおむね完了」と答えたのは2・8%、「システム設計・改修中」は7・8%だった。一方、「対応を検討中」または「未検討」と答えた企業は計90%近くに上り、特に中小企業の遅れが目立った。」
「市場調査会社のクロス・マーケティング(東京)が六月に実施した調査では、制度内容を知らない人は約四割に上り、「個人情報の流出や悪用が心配」「政府がしっかり運用できるか不安」といった声が出ている。」
「マイナンバー制度は違憲」と、12月に一斉提訴へ(Net IB News)
「2016年1月から運用が始まるマイナンバー制度に対し、「憲法の保障するプライバシー権を侵害する」として、全国各地の市民らが運用差し止めを求める訴訟を全国で、一斉に提訴することが8月28日、明らかになった。12月に、仙台、東京、新潟、金沢、名古屋、大阪、福岡の7地裁で提訴する予定。」
「提訴準備の中心で日本弁護士連合会情報問題対策委員会副委員長を務めた水永誠二弁護士は、取材に対し、マイナンバーの問題点として、情報漏えい、マイナンバーをマスターキーにした個人情報の名寄せ、なりすましの3点をあらためて指摘。」
混乱は避けられるか、マイナンバー通知カード(タビスランド)
「・・・この通知カードが混乱なく届くのか、懸念する声が高まっている。いま、想定されている最大のリスクは、返戻問題。個人情報保護の観点から、本人または家族が確かに受け取ったという証拠が必要なため、普通郵便は採用されなかった。不在の場合は再配達になるが、すべての人が受け取るまでには膨大な時間と労力がかかるとされる。」