東芝、秋ごろにも臨時株主総会を検討 定時の決算報告困難
東芝が、臨時株主総会を秋ごろに開催する方向だという記事。
「監査法人との意見対立で、2017年3月期決算を6月下旬の定時総会で報告することが困難なため。」
「東芝は米ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の原発事業をめぐる巨額損失の認識時期をめぐって、PwCあらた監査法人と意見が対立しており、17年3月期決算を正式発表できていない。
決算は定時総会の報告事項とするのが一般的だが、監査法人による適正意見がない場合は決議事項となる。東芝は
独自に算出した決算見通しで決議を得ることも検討したが、信頼性に欠け株主の理解を得られないと判断したとみられる。」
さまざまな報道では、取引所ルールによる決算発表と金商法による有報提出が主に取り上げられていますが、会社法決算(会計監査人監査を含む)も重要でしょう。
あらたの意見が無限定適正に変わる見込みがない場合、東芝には、無限定適正がつかない会社法決算を株主総会決議により確定し、有報は無限定適正でない監査報告書をつけて提出するという選択肢があります。この方法でも、法律違反にはならないと思いますが、上場廃止には一歩近づくことになります。また、あとで決算に何か問題があることが明らかとなった場合には、虚偽記載のある決算書を総会決議にかけ、また、有報に含めて当局に提出したということになるので、取締役の責任は免れないでしょう。
そういうこともあって、先延ばししたいのでしょうが、先延ばしにしたからといって、何か解決策が出てくるというものでもなさそうです。
また、無限定適正がつかないままとなった場合に、新年度の監査人をどうするのか(たぶんあらたは契約継続をことわる)という問題もあります。
東芝、銀行が融資停止を示唆…6月に監査法人交代で決算提出「強行」の可能性(Business Journal)
監査人交代説は、まだくすぶっているようです。
「決算発表は、監査法人の「意見」は必要ない。ただし、6月末に法定期限を迎える有価証券報告書の提出には、それが必要となる。
「両者の今の状況では、6月末も間に合わないのではないか。おそらく、東芝は有価証券報告書の提出先である関東財務局に、
提出期限の延長を求めるだろう。6月の株主総会で監査法人の交代を行い、
後任監査法人に延長された有価証券報告書の提出期限までに監査を終了してもらい、『意見』をつけるという“離れ業”をやってのけるしかない」(同(メインバンク関係者))
もし、このシナリオが進んでいるのであれば当然、PwCあらたは6月末の有価証券報告書の法定期限までに監査を終了することなどないであろう。まさしく、監査法人が東芝にとって“前門の虎”となっている。」
5月ももう終わりで、そろそろ、会社から何か発表がありそうですが...
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ソンビ企業化した東芝で「あり得ない珍事」が多発中!(現代ビジネス)
「2016年度第3四半期決算で、会計上のお墨付きを得られなかった際、東芝は、監査法人の首のすげ替えを広言していたが、今回の記者会見ではそんな傲慢な物言いはなく、綱川社長は「変更を決めたとは聞いていない」とトーンダウンした。」
「またしても決算でまともな監査意見を取得できない問題が発生した。過去や今回の不適切な会計処理の存在を認める大幅決算修正でもない限り、6月末に提出期限を迎える有価証券報告書でも、東芝が監査法人から決算のお墨付きを得ることが困難な状況を象徴している。」
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