金融庁・後発事象は柔軟対応
建設業の業界紙の記事ですが、4月24日に開催された金融庁の「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた企業決算・監査等への対応に係る連絡協議会」のことにふれています。
「金融庁が事務局を務める「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた企業決算・監査等への対応に係る連絡協議会」は24日の
第4回会合で、新たに日本証券アナリスト協会を構成メンバーに加えた。3日にスタートした協議会は日本公認会計士協会、企業会計基準委員会、東京証券取引所、経団連を構成メンバーに、全国銀行協会、法務省、経済産業省がオブザーバーとして参加。これまでに決算や監査、定時株主総会などの柔軟な対応などを公表。さらに有価証券報告書や四半期報告書など法律に基づく提出義務のある関係報告書の提出期限の延長を認める改正も行っていた。
金融庁は24日の会合後、上場企業が開示情報としていま最も気にしている
“後発事象”開示の扱いについて、「今回は議論となっていない」と前置きした上で、「
一般的考え方について会計士協会が既に出している。内容は会計士と企業がケースバイケースで判断する」とした。さらに「
一律に期間やどこまで(範囲)ということは考えていない」と、後発事象の対応も柔軟に考える姿勢を表明。
また金融庁は、検査マニュアルを廃止したことに関連して、「引き当てをどれだけ積むかは自己査定。引き当て不足を指摘し積み増しを求めることはしない」と強調した。
建設セクターでも多くの企業は3月を本決算期としている。その場合、4月以降の新事業年度で想定される
コロナウイルスの影響について後発事象としてどの程度開示すれば良いのかなど先が見通せない中での判断に苦慮していた。」
この記事では、開示後発事象の範囲を問題にしているようですが、3月期の決算に反映させるべき後発事象はどこまでか、についてはどうなのでしょうか。どちらも連絡協議会の議論の対象にはなっていないようですが...。
後発事象に関する会計士協会の指針としてはこれがあります。(他に監査基準委員会報告書もありますが、そちらは監査がメインです。)
↓
「後発事象に関する監査上の取扱い」(日本公認会計士協会)
「決算日後に発生した会計事象ではあるが、その
実質的な原因が決算日現在において既に存在しており、
決算日現在の状況に関連する会計上の判断ないし見積りをする上で、追加的ないしより客観的な証拠を提供するものとして考慮しなければならない会計事象」は、修正後発事象となります(3項)。
IFRSは、実務指針よりは格上の会計基準レベルのものがあるようです。ただし、協会指針は、たぶんIFRS(IAS)を参考にしているのでしょう。
PR|
amazonビジネス・経済