序曲「エグモント」  音楽

作家の村上春樹が、文藝春秋6月号に「ベルリンは熱狂をもって小澤征爾を迎えた」と題して特別寄稿した。

これは本当にたまたまであるが、私が図書館で偶然手にした本の中にあったのである。

村上春樹が小澤征爾とこんなにも近しいとは知らなかったし、対談の本も出版されているようである。誠に音楽に造詣が深い。

(対談の本は、『小澤征爾さんと、音楽について話をする』で2011年11月新潮社で発行。このブログを書いてから図書館で偶然見つけて、読みだした。(6月25日)借りずに、行った時に読むことにしたので、いつ終わるか分からない。ところが6月29日も図書館に行って読もうとしたら本がない。係りの人に聞いてみたら、もう他人が借りたらしい。次に借りたい人もいるらしく、まさか私のブログを見た人ではあるまいが。)

村上春樹は大変な人気作家であるが、私は「ノルウェーの森」と「海辺のカフカ」しか読んでない。しかし「海辺のカフカ」はなかなか理解し難しい本だった。

その村上春樹が今年4月8日と10日にベルリンにて、小澤征爾がベルリン・フィルを7年振りに指揮をした状況を書いている。わざわざドイツまで聴きに行ったのだ。

曲目は モーツァルト作曲「グラン・パルティ―タ」K361(指揮者なし)
      ベートーベン作曲 序曲「エグモント」
      ベートーベン作曲「合唱幻想曲」

実は私はこの序曲「エグモント」が大好きで、ベルリン・フィルのヘルベルト・フォン・カラヤン指揮のCDまで持っている。

何で好きかと言うと、高校生の時のブラバンでライバル校が女子高での文化祭で華やかに演奏したのであった。その時にすごい曲だと衝撃を受けたくらいだった。

解説によるとゲーテの悲劇「エグモント」の為に作曲をした。
16世紀スペインの圧政下で、オランダのフランドル地方の領主エグモントは、スペインから派遣されたアルバ公と争い、断頭台に引かれる。エグモントの恋人クレールヘンは自殺し、幻影となってエグモントをなぐさめる。

序奏はソステヌート・マ・ノン・トロッポで決然たる意志を示す動機が弦に現れる。
主部は序奏と同じくへ短調だが、アレグロとなり、主要主題の下降旋律はチェロが演奏する。
(この部分は吹奏楽では私のユーホニュームが演奏する)これが私の大好きな旋律なのだ。

終結部はアレグロ・コン・ブリオ、ヘ長調。明るく、そして勇壮な勝利の凱歌である。
単純な諸動機を自由自在に活用した、べートーベンらしい交響的序曲である。

村上春樹は小澤征爾に付き添うように、リハーサル風景、控室での会話、カラヤンとの思い出等を聞きだし、一緒に食事もしている程だ。

リハーサル後の会話が印象的だった。

村上「どうして指示をほとんど出さないんですか」
小澤「出す必要がないから」「彼らは僕の手や身の動き、日本語で言えば『呼吸』(息づかい)を見ていて僕の意図を理解する。」「彼らはそれに合わせて演奏を変えるだけの技術を持っています。」

すなわち、一人一人が超一流だと言うことらしい。マジシャンだね。

小澤征爾は腰やら食道の手術をしていて、体調が悪い。
リハーサルで一曲練習しただけでも疲れて、控室に行く位だ。

それが、村上春樹と食事をした時に無理をして食べたのだろう、お腹を壊したそうである。私も胆嚢の摘出手術を受けており、食べ過ぎや、冷たいもの、辛い物などはダメである。
どうしても見た目で美味しそうだと食べてしまうのは、人間の欲であろう。

本番の批評でドイツ3紙はこぞって「ベルリン・フィルが最近これほど真剣に、そして広がりのある音で演奏するのはほとんど聴いたことがない。ベルリン・フィルのかつての時代の音(カラヤンの華麗さ、バーンスタインの情熱)を、まさに現代の音として再現してくれた」
と絶賛したのである。

小澤征爾は80歳になった。健康を願うばかりだが、村上春樹は演奏会後は日本に帰ったそうだが、小澤征爾はフランスに行くと言う。まさに世界で勝負する小澤である。

YouTubeに他人がヘルベルト・フォン・カラヤンなどの「エグモント」をアップしているので、参考までにお聞きください。




AutoPage最新お知らせ