アラウのワルトシュタイン  CD・レコード

 ベートーヴェンの心の中のワルトシュタイン伯爵像って、こんなだったのかな〜と思い描く、暖かな春の晩。今日は2週間前に続いて アラウの弾くピアノ・ソナタ 21番、愛称「ワルトシュタイン」をゆっくり聴きました。

 アラウの演奏は、私にピアニストの強いエモーションを感じさせるものではありません。にもかかわらず、このソナタ21番を聴くとワルトシュタイン伯爵は芸術を理解し、懐の深いドイツ貴族にして騎士 なんてことを思います。曲の持つ力か、それともアラウの表現にそういう解釈が埋め込まれているのでしょうか。

 流し聴きしていたときは、美々しく壮麗な曲だと感じていました。でも居ずまいを正して聴けば聴くほど、アラウという人の押し出しがいまひとつ感じられなくて…ちょうど才能のある宮廷画家が王族の肖像や「戦場における我らが偉大なる皇帝陛下」を描いたもののように…そこに現われているのは、作曲家が楽譜に残したイメージの忠実な再現? とにかく、とても聴きごたえあって好きです。他のピアニストの演奏も聴きたいです。

◆ライナーノートより引用
このウィーン生まれの貴族(ワルトシュタイン伯爵)は、宮廷の騎士団に所属するべくボンにやってきた人で(中略)若いベートーヴェンの才能を早くから高く買って、彼に物心両面で何かと援助をした。(中略)。また1792年にベートーヴェンがいよいよウィーンに発つときの例の記念帳に、次の有名な言葉を書き記した(中略)。「不断の努力によって、あなたはモーツァルトの精神をハイドンの手から受け取りなさい(後略)」、その後、2人の交流は途絶えてしまったが、それでもベートーヴェンはこの名作ソナタを彼に贈って、昔日の恩に応えたのであった。
◆引用終わり

 この曲のテーマがワルトシュタイン伯爵の人徳、というわけではありませんが、ベートーヴェンの抱く伯爵その人のイメージと、伯爵がベートーヴェンに寄せた期待にふさわしい楽曲だったからこそ、献呈されたのでしょう。アラウの演奏を聴いていると、私の視線はアラウを通り越してベートーヴェンやワルトシュタイン伯爵のことを「カッコいい」と思うのでした。
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2007/4/27  22:12

 

先日外出した際に、そこで「ワルトシュタイン」がBGMとして流れていました。ひさしぶりに耳にしました。やはり名曲と思い、帰宅してからちょっぴり聞いてみたのですが、最近の音楽鑑賞の流れからすると、ピアノ独奏によるいくぶん鋭い響が耳にあわないような気がして第1楽... 




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