グッド・シェパード  映画

 最初に、昨日のバレエ公演情報の付け足しです。チラシからプログラムと出演者だけをお知らせしたマラーホフの贈り物2008大阪公演、ボリショイ組の「シンデレラ」はポーソホフ版じゃなく、元祖ザハーロフ版なのですね。彼らのレパートリーに、そのような歴史的作品のパドドゥがあるのですか。観ることができれば、これは珍しいかも。


 さて、先週末は映画「グッド・シェパード」を観てきました。アメリカ合衆国CIA草創期に関わった1人の男の20年を描き、最後まで飽きさせない3時間弱。ドラマはこうでなくっちゃ。

 主人公の人物造形が丁寧で、説得力があったればこそ。彼の関わった歴史の裏側の出来事を、個人の仕事のエピソードとして次々と繰り出したあと、物語は冒頭に提示されたピッグス湾事件の謎に、みごと収斂していき、私は得心いたしましたです。しかし…時代や人間の社会がそういうものであるとはいえ、女性の登場人物には存在の疎外感ゆえ同情することしかできないのが、ちょっとつまんね〜。

 どこかで聴いた声だと思ったら、「マーサの幸せレシピ」のマルティナ・ゲデックも出るのよね。「私、料理が得意なんです」とかなんとか言うのさ、主人公に。

 映画の始め20分くらいは、場面が20年の時間内で行ったり来たりするのと、よく知らないアメリカ アイヴィーリーグの文化、諜報機関のあれこれなどが私にとっては速いテンポで出てくるので混乱しそうでした。アカン、忘れる、あの言い回しはどういうこと?…と焦ることしきり。でもそのうち安定走行に入り、登場人物の演技に引きこまれていきました。

 ラストに騒々しい立ち回りも愁嘆場も大団円もなく、無機質な建物の内部と独特の歩き方で去っていく主人公、そしてズンチャッチャ♪butter cup boy〜♪ う〜む、考えたこともなかった、アメリカにもこういう人がいたってことを。

 余談ですが、本編の前に上映予定作品の予告編あり。「Elizabeth the Golden Age」で白塗りのケイト・ブランシェットが鎧まで着て太い声で怒号よろしく軍隊を鼓舞しておりました。それから「大いなる陰謀」で、ありゃ、ちょっとふっくら?なジャーナリストのメリル・ストリープがトム・クルーズと対峙していました。本編も予告編もドラマはフィクションだけれど、画面で血と泥にまみれているその他大勢を身近に感じる家族持ちの小市民、それは私。胸にこみ上げてくる無力感と疎外感はどうよ。ふう。
 次はジョディ・フォスターの新作を見よっと。
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